銀行・郵便局/ゆうちょ銀行の取扱い商品

ゆうちょ銀行の特徴や郵便局との違いって? 上手な使いこなし方!

日本人にとって身近な金融機関であるゆうちょ銀行。ゆうちょ銀行と郵便局の違いって? 上手に使いこなすコツは? ……一般社団法人全国銀行協会「よりよい銀行づくりのためのアンケートの結果について」で発表されたアンケート結果も踏まえて、ゆうちょ銀行の特徴やメリットを紹介します!

坂本 綾子

執筆者:坂本 綾子

預金・貯金ガイド

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ゆうちょ銀行はサブバンクがオススメ!

どの銀行に口座を持ち、どう活用するかは、住んでいる場所や生活スタイルによって違ってきます。ひとつのパターンとして提案したいのが、都市銀行や地方銀行をメインの生活口座とし、サブバンクとしてゆうちょ銀行、インターネット専業銀行に口座を持つ方法です。
ゆうちょ銀行と郵便局の違い

ゆうちょ銀行と郵便局の違いって? ゆうちょ銀行はサブバンクがオススメ


なぜなら、それぞれの銀行が持つ特徴を活かせるからです。そのためには、まず、ゆうちょ銀行の特徴から確認しておきましょう。
   

ゆうちょ銀行と郵便局の違い

郵便局に行けば、ゆうちょ銀行のATMがあり、窓口では貯金などのサービスを受けることができます。しかし、ゆうちょ銀行と郵便局は別の会社です。ゆうちょ銀行を使いこなすには、民営化により誕生したゆうちょ銀行と、郵便局との関係を押さえておくことが大事です。

2007年の民営化により、それまでの郵便局が5つの会社に分かれました。
  • 日本郵政(株)
  • (株)ゆうちょ銀行
  • 郵便局(株)
  • 郵便事業(株)
  • (株)かんぽ生命保険
 
その後、郵便局(株)と郵便事業(株)は合併して、日本郵便(株)に
なりました。日常生活では郵便局と呼びますが、会社名は日本郵便(株)です。ゆうちょ銀行と郵便局は別の会社ですが、同じグループ(日本郵政グループ)ですから、協力関係にあります。

さて、ではここからが本論。ゆうちょ銀行と郵便局、それぞれどのような事業を行っているのでしょうか?

■ゆうちょ銀行
銀行として、貯金や送金や決済などを取り扱っています。国債や投資信託も販売しています。非課税口座のNISAや個人型確定拠出年金(通称iDeCo)も取り扱っています。

■郵便局(日本郵便)
ゆうちょ銀行の代理業者として貯金等のサービスを取り扱っています。同時に、はがきや封書などの郵便物を取り扱う郵便事業も行っています。また同じグループの、かんぽ生命の商品を中心に保険も取り扱っています。

ということで郵便局は、貯金から郵便や保険までさまざまな商品を取り扱っています。そして郵便局とゆうちょ銀行の関係においては、郵便局の中にゆうちょ銀行の支店や出張所が入っているケース郵便局が代理業者として貯金等を取り扱っているケースがあります。民営化にともない、ゆうちょ銀行では、投資信託などリスクのある商品も販売するようになりましたが、これらの販売には専門知識が必要なので、郵便局によっては扱っていないところもあります。

つまり、ゆうちょ銀行の商品の全てを、どの郵便局の窓口でも提供しているわけではないということです。自宅から近い、あるいは、よく利用する郵便局ではどんな商品を扱っているか、一度、確認しておきたいものです。また、自分が利用したい商品を取り扱うゆうちょ銀行や郵便局を探したいときは、ゆうちょ銀行のサイト内にある「店舗・ATM」で検索することができます。
 

ゆうちょ銀行に口座を持つ人は多い

このように運営されているゆうちょ銀行は、一体みんなどんなふうに利用しているのでしょうか? 全国的なアンケートの結果を紹介します。

2021年に発表された「よりよい銀行づくりのためのアンケート(報告書)」(全国銀行協会)から、いくつか抜粋して紹介しましょう。
ゆうちょ銀行

ゆうちょ銀行はみんなどのように使ってる?「よりよい銀行づくりのためのアンケート(報告書)」(全国銀行協会)から紹介


Q:口座を持つ金融機関ともっともよく利用する金融機関は?

A:
  • 【都市銀行】口座を持つ49.6%/よく利用する29.5%
  • 【地方銀行】口座を持つ52.2%/よく利用する26.6%
  • 【インターネット専業銀行】口座を持つ39%/よく利用する10.6%
  • 【ゆうちょ銀行】口座を持つ72.1%/よく利用する22.3%
 
口座を持っているかどうかでは、都市銀行と地方銀行が5割前後で拮抗。インターネット専業銀行が意外と多いのは、インターネット調査であることが影響しているようです。ゆうちょ銀行に口座を持つ人は約72%ですから、かなり多いですね。

もっともよく利用するのは、都市銀行と地方銀行が3割弱。インターネット専業銀行は1割で、口座を開いたもののあまり使わないのか、あるいはメインの口座ではないことがうかがわれます。ゆうちょ銀行は、口座を持つ人が多い割に、もっともよく利用するかどうかでは2割ちょっとです。このことから、メインの口座というより、第2の口座=サブバンクとして利用している人が多いのでは?と推測します。

Q:口座を持つ金融機関の利用目的は?

A:ゆうちょ銀行の場合は、普通預金(通常貯金)93.4%、現金の出入・振込・払込32.1%、定期預金(定期貯金・定額貯金)25.4%、自動引落し(口座振替)15.1%、が上位に挙がっています。

一般的な銀行の普通預金にあたるのが、ゆうちょ銀行の通常貯金。口座を持つ人の多くが通常貯金を目的としています。通常貯金を使った現金の出入・振込・払込、定期貯金・定額貯金もおおよそ3割の人が利用しています

Q:金融機関の満足理由は?

A:ゆうちょ銀行の場合は、ATMが多く身近な場所にある56.3%、店舗が多く身近な場所にある44.3%、ATMの利用可能時間が長い24.6%が上位に挙がっています。

これらの特徴は、ゆうちょ銀行を使いこなす上でのポイントとなります。

(調査は2021年8月に、全国18~79歳の男女3700名を対象にインターネット調査で行われた。一般社団法人全国銀行協会「よりよい銀行づくりのためのアンケートの結果について」より)
 

ゆうちょ銀行は、店舗やATMが多く、ATM手数料が安い

ゆうちょ銀行の特徴と使いこなし方を紹介します。

アンケート調査の「満足理由」で上位に挙がっている項目、「ATMや店舗が多く身近な場所にある、ATMの利用時間が長い」は、まさに、ゆうちょ銀行の特徴を表しています。

ゆうちょ銀行の本支店と出張所の数は235、これに郵便局も加えると、総店舗数は全国に2万3734全国の小学校の総数が約2万ですから、地域により例外はあるにせよ、ほぼ徒歩圏内に郵便局が存在するということです。ATMの設置台数は3万1774台。日本の金融機関の中では店舗数もATM台数も群を抜いています。ゆうちょ銀行のATMは、ゆうちょ銀行以外にも提携金融機関のカードが利用できる提携先は約1300社あります(店舗数とATM数は、2022年3月末時点。ゆうちょ銀行ディスクロージャー誌2022より)。

さらに、ゆうちょ銀行のATMは手数料がかからない点も見逃せません。

ただし、2022年からATM手数料が一部見直されました。ゆうちょATMは、以前は郵便局やゆうちょ銀行に設置されていました。最近、駅やショッピングセンター、ファミリーマートなどにも、ゆうちょATMの設置が進んでいます。郵便局・ゆうちょ銀行に設置されているATMはこれまで通り曜日や時間帯に関わりなく無料のままですが、駅やショッピングセンター、ファミリーマートなどに設置されているゆうちょATMについては、平日8時45分~18時、土曜日9時~14時を除き110円の手数料がかかります。

ATM手数料については、都市銀行や地方銀行では、時間外手数料が発生しますが、ゆうちょ銀行のキャッシュカードや通帳で、ゆうちょ銀行のATMを利用する場合は、土・日・祝日も手数料はかかりません。ATMによっては24時間稼働しています(※ゆうちょ銀行や郵便局以外の場所に設置されたゆうちょATM手数料については前述)。

また、キャッシュレス化が進んでいることから、ゆうちょATMで硬貨を使って預け入れや引き出しをする際には硬貨の枚数に応じた料金がかかります。硬貨を使える時間帯も短くなります。
ゆうちょ銀行 手数料

都市銀行や地方銀行では、時間外手数料が発生


日本中に、しかもちょっと歩けば行ける身近な場所に、店舗やATMがあるというのが、ゆうちょ銀行を利用する際のもっとも大きなメリットといえるでしょう。日本国内なら、引っ越ししても近くに店舗等がある可能性が高いので、金融機関を乗り換える必要がありません。

またゆうちょ銀行の特徴的な商品として、定額貯金を挙げることができます。定額貯金は6カ月たてばいつでも解約できて最長10年まで預けられます。めずらしいタイプの貯金です。

住んでいる場所、生活スタイルにより、ゆうちょ銀行が使いやすければ、もちろんメインの生活口座として利用してもいいのです。ただ生活口座は、給与振込口座である方が使いやすいもの。給与振り込みが別の銀行なら、ゆうちょ銀行はサブバンクとしての利用が向いているでしょう。

サブバンクとして利用する場合は、メインの口座とは分けておきたいお金、いざというときに備えるためのお金、子どもの教育費などの預け先に向いています。急にお金が必要になったとき、国内なら旅先や出張先でも、豊富な店舗やATM網を使って、通帳やキャッシュカードで現金を引き出すことができます。
 

ゆうちょ銀行は、インターネット専業銀行と好相性

20年ほど前から登場したインターネット専業銀行。原則、店舗を持たず、インターネットでの取引が中心です。自前のATMもありません。その代わり、手数料が無料だったり安く利用できる提携ATMが整備されています。ほとんどのインターネット専業銀行で、ゆうちょ銀行ATMは提携ATMとなっています。

ゆうちょ銀行に預けたお金を、ゆうちょ銀行ATMで引き出し、同じゆうちょ銀行ATMを使ってインターネット専業銀行の口座に預けることができます。逆もOK。複数の金融機関を併用する場合は、口座間のお金の移動が楽でないと使い勝手が悪いものです。その点、ゆうちょ銀行とインターネット専業銀行は相性がいいといえます。
 
  • 幅広い商品・サービスを取り扱う都市銀行や地方銀行
  • 金利の高いネット定期や投資商品などを取り扱い、ネットショッピングの決済にも便利なインターネット専業銀行
  • 全国に店舗・ATM網を持つ、ゆうちょ銀行
 
この3つを組み合わせれば、個人が利用できる銀行サービスのほとんどが活用できます。ゆうちょ銀行の特徴を踏まえて、自分の生活における使い方をシミュレーションした上で、上手に活用してください。

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