大家さんが対策を怠れば、法的な責任を追及されることも
1995年の阪神大震災では、古い建物で被災して亡くなられた学生の親御さんが、大家さんを訴えるケースが多発しました。これらの判例を見ると、地震により賃貸用の建物が倒壊し、入居者が亡くなったり怪我をしたりした場合に、大家さんの法的責任が認定されたケースがいくつかあります。問題の建物だけでなく、その周囲の建物の半数以上が破損しているような場合には、所有者の責任は問われていないのですが、周囲の建物のほとんどが無事なのに、その建物だけが破損してしまったというケースでは、遺族による民事訴訟に発展し、大家さんの責任が追及され賠償を命じられる可能性があります。
つまり、建築当時の耐震基準を満たしていれば良いというわけではなく、現代の基準に合った耐震補強を行っていないと、責任を問われることもあるのです。
大地震はいつ起こるかわかりません。いざ、起こった時に後悔することの無いよう、まずは耐震診断を受けることをお勧めします。補強が必要となれば、どのような手法が最も経済的で合理的かを考えることになります。補強の費用対効果より建て替えのほうが有効となれば、腕まくりして大事業の覚悟をすることになります。
そのどちらも難しく、次世代にもその器量がないという場合、思い切って売却し、耐震基準を満たした収益物件に買い替えることも選択肢としてあります。いくつかのケーススタディを組み立て、比較して、あなたに最も合った道を選びましょう。
そのようなニュートラルな相談機関として、公益社団法人東京共同住宅協会などお勧めします。先ずは、耐震診断の第一歩をお進みください。