一筋縄ではいかない個性派ミュージカル
『ムーラン・ルージュ』華やかな映像美で知られるバス・ラーマン監督が、ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の世界をオリジナリティ溢れる世界観が魅了。悲恋を毒々しさ一歩手前の華やかさと歌で彩ります。
1899年、パリ。ナイトクラブ「ムーラン・ルージュ」の経営は悪化。オーナーは新たな投資家として公爵に的を絞り、ショーのヒロインのサーティンをあてがうことに。でも彼女は公爵と新人劇作家を間違えてしまい、作家と恋に落ちてしまう……。
ニコール・キッドマンとユアン・マクレガーが悲恋カップルをロマンチックに歌って演じて見せ場を次々と作っていきます。またマドンナ、ビートルズ、エルトン・ジョンの楽曲を使うなど、選曲にも監督の世界観を貫いたバス・ラーマンの代表作です。
監督:バス・ラーマン
出演:ニコール・キッドマン、ユアン・マクレガー、ジョン・レグザイモ
(2001年)
『ダンサー・イン・ザ・ダーク』
デンマークの実力派であり独創的な作風で知られるラース・フォン・トリアーがビョーク主演で作り上げたミュージカル映画。カンヌ映画祭パルムドール賞&主演女優賞(ビョーク)受賞作。
遺伝性の目の病を持つセルマは視力を失う運命にあり、彼女は我が子が病を発病する前に治してあげたいと、工場で必死に働いて貯金をしていました。しかし、彼女は工場をクビになり、お金も盗まれてしまい……。
ヒロインは空想壁があり、時折挿入される歌と踊りのシーンは、ビョークでないと表現できない域に達していて圧巻です。ミュージカルシーンと現実の厳しさの差が激しく、揺れる映像とともに心もかき乱されるという珍しいタイプのミュージカル映画。一筋縄ではいかないラース・フォン・トリアーの本領発揮の作品です。
監督:ラース・フォン・トリアー
出演:ビョーク、カトリーヌ・ドヌーブ、デビッド・モース
(2000年)
『ヘドヴィク・アンド・アングリーインチ』
オフブロードウェイで上演され話題になったロックミュージカルの映画化。映画は舞台と同じくジョン・キャメロン・ミッシェルが監督&主演しています。
東ドイツに生まれ育ったハンセルは、性転換手術を受けますが、手術は失敗。股間に「1インチ」残ってしまう。絶望した彼でしたが、ロックシンガーになる夢を追い求めていくうちに17歳のトミーと出逢って恋に落ちますが……。
男でも女でもない「怒りの1インチ」を股間に残したまま、愛を求めるハンセルの姿が切なくて。彼が情熱を注ぐロックは、実に美しいメロディラインを持ち、映画に気持ちをグイグイ乗せてくれる良質なポップチューン!内容はヘビィだけどユニークな描写と華やか映像とパンチのある名曲の数々、そして主人公を演じたジョン・キャメロン・ミッシェルの爆発的パフォーマンスは見応えあります。
監督:ジョン・キャメロン・ミッチェル
出演:ジョン・キャメロン・ミッチェル、マイケル・ピット、ミディアム・シェア
(2001年)
【ラインナップ】
・アカデミー賞監督 ロブ・マーシャルのミュージカル映画/『シカゴ』『NINE』
・歌姫たちが美と歌唱力で魅了する/『ドリーム・ガールズ』『バーレスク』
・青春ミュージカルの金字塔ここにあり!/『ヘアスプレー』『ハイスクール・ミュージカル ザ・ムービー』
・日本でもおなじみのミュージカル映画/『マンマ・ミーア!』『オペラ座の怪人』
・一筋縄では行かない個性派ミュージカル/『ムーラン・ルージュ』『ダンサー・イン・ザ・ダーク』『ヘドウィグ・アンド・アングリー・インチ』