『オネーギンEvgeny Onegin―あるダンディの肖像―』のタチヤーナでは、専科の轟 悠さんの相手役という大役に大抜擢されます。宝塚男役の頂点でもある大先輩を相手に、恋に夢見る少女から、楚々とした大人の女性への成長を見事に表現しました。
また2009年7月より1年間、TAKARAZUKA SKY STAGE第8期スカイフェアリーズとして、明るく元気な姿を見せてくれました。
前雪組トップ娘役・愛原実花さんの退団後、しばらくは固定のトップ娘役を置かずにいた雪組において、2011年、音月 桂さんトップお披露目公演『ロミオとジュリエット』のジュリエット役はWキャストでした。舞羽さんはその一人に抜擢されます(もう一人は夢華あみさん)。
ロミオを見つめる時のドキドキ感がこちらにまで伝わる、"死"さえも幸せと思わせる恋する乙女を好演しました。
そして、その次の公演、全国ツアー『黒い瞳』『ロック・オン!』より、雪組トップ娘役に就任。本公演お披露目は『仮面の男』『ROYAL STRAIGHT FLASH!!』でした。
舞台映えのする容姿に、肩の開いた大きなドレスも似合い、トップ娘役の風格を見せた『仮面の男』のルイーズ。凛とした女性『ドン・カルロス』のレオノール。
勝気な部分の中に可愛らしさも見せ、前田正名への心の変化を演じた『Samourai』マリー。
『ハウ・トゥー・サクシード』のローズマリーや『フットルース』のアリエルは、明るく元気なイメージの舞羽さんにぴったりでした。
そして最後の役は『JIN-仁-』。仁先生を尊敬し一心に付いて行く健気な咲さんの姿は、舞羽美海さんそのものでした。
現代的な面も古風な面もあります。可愛らしくもあり、しっとりとした大人の女性でもあります。
色々な面、色々な魅力を見せてくれる娘役ですが、観るたびにその成長に驚き、どんな役を演じても気持ちいい。体当たりで素直な演技、向日葵のようなひたむきさと大らかさ。
誰からも愛される、好感度抜群の娘役さんでした。