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Miiverseとデモンズソウル(2ページ目)

Miiといえば、Wiiに搭載されたキャラクター機能で、これを使って家族や友人などのキャラクターをつくり、ゲームに登場させて遊ぶことができました。2012年12月8日に発売される新ハードWii Uでは、これをさらに一歩進化させて、世界中のMiiが繋がるMiiverseという仕組みが登場します。

田下 広夢

執筆者:田下 広夢

ゲーム業界ニュースガイド

デモンズソウルの恐ろしい難易度と、ヒント

デモンズソウルの図

他のプレイヤーが書き残しヒントが、インターネットを通じて読むことができます

デモンズソウルは、とにかく恐ろしい難易度のゲームで、何度も何度も主人公が敵にやられます。ガイドが初めてプレイした時は、チュートリアル的な導入が終わった後、2時間程遊んでもまだスタート地点から離れることができず、心が折れそうになったものです。暗い階段を登れば上から岩が落ちてきて、明るい空の光に導かれれば足元に穴があいていて、扉を開ければ死角から敵が跳びかかり、目の前の強敵に集中すれば後ろからブスリと刺されるというような、そんなゲームです。

デモンズソウル高い難易度のゲームでしたが、実はそこら中にヒントが散らばっています。1つは、床などに書かれたコメント。この先に宝があるとか、上に気をつけろとか、強敵がいるとか、プレイしていて気をつけるべきことがあちこちに書かれています。もう1つが、ところどころにある血溜まり。この血溜まりを調べると、半透明のキャラクターが出現し、しばらくすると必ず何かにやられて死んでいきます。穴に落ちたり、何かに斬られたり、何でやられたかはキャラクターのリアクションだけで推し量るしかないのですが、必ず何がしかの危険を教えてくれるのです。

死に様共有コミュニケーション

デモンズソウルの図

プレイヤーキャラクターが死ぬと、その直前に血溜まりが発生し、他の誰かがそれを見ることで危機を知ることができます

実は、このヒントはほぼ全て、ユーザーが残しています。プレイヤーはプレイしている最中に、床などにコメントを残すことができるんですね。誰に宛てたものでもありません。どこかでプレイしている誰かの為のヒントです。それをインターネットでプレイヤー間で共有し、攻略のヒントにしていくのです。ちなみに、宝箱があるといいつつ強敵に誘導するような嘘をつくユーザーもいまして、それがまた面白いところでもありました。

もう1つの血溜まりと、必ず何かにやられていく半透明のキャラクター、こちらもプレイヤーが残したものです。といっても、こっちは意思を持って残したものではなく、プレイヤーキャラクターが死ぬと、勝手に残されて、コメントと同じくプレイヤー間で共有されます。基本的には、分かりにくい罠があるところや、敵の待ち伏せがあるところなどで死にますから、血だまりがあったらそれを調べて、行先を見て警戒することで、ゲームを有利に進めることができます。たまに全く危険のないところに血溜まりがあり、調べるとありえないような方法で崖から飛び降りているプレイヤーがいたりするのもなかなか楽しかったりします。

デモンズソウルは、このコメントと、そしてプレイヤーの死に様をゆるく共有することで、高難易度のゲームに適度なヒントを与えつつ、奇妙な連帯感というか、共感のようなものを生み出すことに成功していました。もちろん全く同じ仕組ではないのですが、Miiverseはこれにかなり近い楽しさを持つ仕組みを多くのゲームに与えることができるシステムだと考えられます。
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