広東中華の老舗店ながら、ダイニングカフェを思わせる内外装
大きなガラス張りで神楽坂通りからも少し店内の様子がうかがえる龍公亭。自動ドアで店内へと進むと、右手に2階へと上がる階段、左手が1階のテーブル席となります。奥には半分オープンなキッチンが……老舗中華料理店、というよりも綺麗なダイニングカフェのようなイメージでしょうか。2階には個室や外を見渡せるテラス席がありますが、この日は友人と2人、1階のテーブル席へと腰を落ち着けます。オーダーは、数あるランチメニューの中からたまに無性に食べたくなる「土鍋麻婆豆腐」(1000円)を、友人は「芝海老のチリソース」(1000円)をオーダーします。
土鍋麻婆豆腐は、文字通り蓋付きの土鍋で提供され、蓋をあけるとグツグツした熱々の状態です。見た目も美しく、食欲をそそってくれますね。広東なので四川ほど強烈な辛さではないですが、頭全体から汗をかきながらの食事に……しかし熱い(笑)。
土鍋麻婆豆腐、芝海老のチリソースとも、ご飯と小さなサラダ、ザーサイ、スープが付き、ご飯はおかわり自由。さらに食後のドリンクも付いて1000円と、老舗店としてはリーズナブルな価格設定です。ドリンクは、コーヒー・紅茶・烏龍茶の3種。それぞれ冷・温を選べます。
また食事中、隣で食べているご婦人のカレーのようなカレーじゃないような一品が気になり、チラチラと眺めていると、声をかけていただけました。「ここのカレー、なかなか人気あるのよ」。長く通われている常連とのこと。神楽坂のご婦人からの推薦、“次回へのチャレンジ”を決意し、友人と店を後にします。
名物のつゆそば、老舗中華店が提供するカレーライスとは?
後日、老舗中華料理店が出す「カレーライス」を目当てに再訪問を。この日は1人でしたが、1階がお客さんで埋まっていた関係で初めて2階席へ通されます。天井が高く、気持ちのいい空間です。運ばれてきた同店の「カレーライス」(1200円)は、野菜など具材が多く八宝菜をカレーで味付けしたようなビジュアル。中華丼のカレー版といった感じでしょうか。確かにこれまで出会ったことがない、カレーライスですね。少しとろみのあるカレーはご飯も進み、あっという間に完食しました。また、龍公亭には名物料理が存在します。初代が中華を始めた当時から受け継がれているオリジナルつゆそば、「桂春湯麺」(1400円)です。シイタケ、タケノコ、ザーサイ、玉子、挽き肉が入った少し甘めのあんかけスープと自家製細麺。忠実に当時のレシピを守り続け、熱々で(舌が焼けそうになる)体が温まる一杯です。神楽坂の見番も近いことから、花柳界のお客様も多かったという同店。かつての芸者の方々も食したのでしょうか。老舗飲食店マニアとしては、こちらは外せない一品ですね。
明治時代、大日本帝国憲法が発布された年を源とする中華料理店でランチはいかがでしょうか?
■龍公亭
住所:東京都新宿区神楽坂3-5
TEL:03-3260-4848
営業時間:11:00~15:00、17:00~22:00
定休日:年中無休
地図:Yahoo! 地図情報