たんぱく質の必要量は、条件に左右される
大豆は、植物性ですが、アミノ酸バランスのとれた良質のたんぱく質源です。
また激しい運動をすると、運動中に筋たんぱく質の分解が促進されるため、たんぱく質の必要量が増えます。しかし極端に運動量が少ない場合も、たんぱく質の利用効率が低下して、必要量が増えると考えられています。適度な運動(軽度ないし中等度の運動=200~400kcal/日)を行った場合には、たんぱく質の利用効率が高まり、必要量を抑えることが報告されており(審議資料)、運動=必要量が増加、とは単純にみなすことはできないようです。
また感染症や外傷などによっても、たんぱく質の必要量は増えます。食事量が減りがちで運動もほとんどしないような高齢者の人は、若い世代よりもたんぱく質の必要量が増えるケースもあり、個人差が大きいのです。
他にも、たんぱく質の摂取量が増えれば、たんぱく質の代謝にかかわるビタミンB6も必要量が増えますし、鉄分はたんぱく質と一緒にとると吸収率が高まります。このように単一の栄養素だけでなく、様々な栄養素やエネルギーがお互いに関わり合っているのです。
不足しても摂りすぎても体の負担に
もしたんぱく質が不足すると、子どもなら成長不良に、また体力や思考力が低下するなど、体全体の機能が低下することにつながります。一方、とり過ぎも体に負担をかけます。余ったたんぱく質は、脂質として蓄積されますが、尿中にも排泄されるため、とり過ぎると腎臓への負担が多くなります。またカルシウムの尿中排泄量が増加したり、糖の代謝に関わるインスリンの働きが悪くなったりします。糖質を控えたダイエットが話題ですが、医師や管理栄養士の管理指導の元一時的にするならともかく、安易に情報だけを受け止めて極端に糖質だけを抜き、たんぱく質を過剰にとったりすると、体に負担となったりすることがあります。