失業給付とは?基本を確認
妊娠中の退職や、産休前に退職するなら、とりあえず失業給付の期間延長を行っておきましょう。
「失業手当」(基本手当)は倒産や自己都合などで会社を辞めた後に、再就職するまでの一定期間の生活をサポートしてくれる雇用保険の制度です。退職前2年間に雇用保険に通算12ヵ月以上(倒産・解雇の場合は6カ月以上)加入していれば対象になります。
受給額は雇用保険の加入期間によって、賃金日額の5~8割(上限額あり)を日数分もらえます。日数は自己都合なら被保険者期間によって90~150日。倒産・解雇の場合は勤続年数や年齢で最長330日(就職困難者の場合は年齢により最長360日)もあります。
参照:失業給付(基本手当)の所定給付日数(ハローワーク)
失業給付の特例措置で受給期間を最長4年まで延長
失業給付を受ける場合、通常は退職の翌日から1年以内にもらい終えなくてはいけません。しかし、「就職したい意思があり、就職できる能力があるにもかかわらず再就職できない場合」に受給できることになっていることから、妊娠・出産・育児で仕事を辞めたママは、就職する能力がないとみなされ、失業給付の対象にはなりません。妊娠中や産後すぐで、乳飲み子がいての求職は現実的ではないとみなされるためです。
そのため、妊娠・出産・育児で退職するなどの「特定理由離職者」には受給期間を最長4年まで延長できる特例措置が用意されています。退職後にこの延長手続きをしておけば、通常1年以内の受給期間を最長4年に延ばすことができて、子育てが一段落してから求職する際の助けになります。
失業給付をもらうには、手続きを忘れずに!
失業給付の期間の延長については、手続きをしなければいけません。この期間が限られている点に注意しましょう。平成29年から申請期限が延長になり、退職日の翌日より延長後の受給期限の最後の日まで申請が可能となりました。ただし、申請があまりに遅いと全額を受け取れない場合がありますので、従来の退職日の翌日より1か月以内を目安に早めの申請を心がけましょう。しかも、下記のような必要書類をそろえて住所地を管轄するハローワークへ行かなくてはならず、ちょっと面倒かもしれませんが、金額にすると数十万円と大きいので、ぜひやっておきましょう。
中には、「就職活動をするかわからないから……」と手続きをしない方もいますが、わからないのであればなおさら、手続きをしておくといいでしょう。セーフティネットは利用できる可能性を残しておいたほうが、選択肢が広がります。
なお、手続きに必要な書類などは下記の通りです。事前にハローワークで確認しておきましょう。
<失業給付の受給期間延長手続きに必要な書類>
・受給期間延長申請書
・雇用保険被保険者離職票‐1・2
・母子手帳
・身分証明書
・印鑑 など
(ハローワークで確認を)
失業給付以外に、「教育訓練給付」の期間延長の手続きも
妊娠・出産、育児等やむを得ない理由で退職する場合は、失業給付だけでなく、教育訓練給付についても延長することができます。離職後、雇用保険の延長申請を行い、それと共に教育訓練給付の延長を申請することで、最長4年まで延長できます(雇用保険の加入年数など条件をクリアしている場合)。
子育てをしながら教育訓練給付を利用してスキルアップを図ったり、資格を取ったりすることもできます。通学が厳しくても、通信講座などで家で子育ての合間に受講できる講座もありますので、ぜひ活用したいものです。
妊娠・出産、育児等で退職する際には、失業給付と教育訓練給付の期間の延長手続きを必ず行いましょう。
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