外資系企業で働きたいと思う人が最初にぶつかる壁、それは「即戦力採用」という言葉ではないでしょうか。その他にも高度なスキルやノウハウ、そして実績や実力が厳しく問われるのが外資であるというイメージも、外資のハードルを高めています。
では外資では本当に即戦力ばかりが採用されて、誰もが優秀であるがゆえに活躍しているのでしょうか。もちろん、グローバル人材を絵に書いたような優秀な方もたまにいますが、現実は外資のほうがおそらく採用には苦労しているはずです。このことを聞いて意外に思われたでしょうか。
育成している時間はない?
外資にはチャンスが多い
なぜ外資が採用に苦戦しているのでしょうか。その最大の理由は、日本企業と比べて外資への応募者母数が圧倒的に少ないことです。いろいろな理由で「自分には無理」と最初からあきらめている人が多いのかもしれません。能力に自信がない、語学に自信がないなど、応募をあきらめてしまった理由は人様々でしょう。これは外資に対するイメージが、かなり徹底した実力主義であると思われていることが原因だと言われています。それ自体は間違っていないのですが、たまにそれが間違ったイメージに発展してしまって誤解を生むことがあります。その代表的なものは、「外資は人材育成をしない」という誤解です。
面接官も騙されることが多い
採用ミスは頻発している
確かに、即戦力採用を志向しがちな採用現場が外資にはありますが、一方で採用のミスマッチも多く、現場では極端な自己アピールに対する警戒心が高まっています。つまり、即戦力採用を求めすぎると、実力以上のアピールをしようと思う人が増え、たくみなプレゼンテーションに面接官が騙されてしまうことが頻発するのです。
どんなに優秀な人でも、環境次第ではモチベーションが下がることもあり、その場合は、実力通りのパフォーマンスを出してくれないことがあります。つまり、人材を活用して業績を上げようとする企業の現場では、優秀な人をとればそれで問題解決というわけには到底行かず、仕事をする環境を整備し、人材育成のための様々な投資をすることも必要になります。