SUBARU(スバル)/フォレスター

フォレスターがタフさを求めフルモデルチェンジ

フォレスターがフルモデルチェンジを行った。新作フォレスターは私たちに何をもたらしてくれるのだろうか。

国沢 光宏

執筆者:国沢 光宏

車ガイド

新フォレスターは「大きなクルマに乗っている感」を与える

フォレスターがフルモデルチェンジを行った。今までのモデルは乗用車と同じボディを使い、雪道や悪路で必要な最低地上高を確保したという「限りなく乗用車に近いSUV」という位置づけ。だからこそ高速走行でも安定しており、雪道でのハンドリング世界一と評価されていた。

しかし。スバルの経営陣は「もっとクロカン4WDのようなタフさを持たせなければ世界で通用しない」と考えたらしい。新型になってクルマ全体の作りをホンダCR-Vや日産エクストレイル、マツダCX-5のような「座った感じからして乗用車と全く違う雰囲気」を出そうとしてきた。

乗ると今までのフォレスターより圧倒的に視線が高い。シートの高さを大幅に上げたからだ。クルマ全体の挙動も乗用車というより完全なるSUV。 「走る楽しさ」や「雪道での圧倒的なハンドリング」と引き替えに、「大きなクルマに乗っている感」を感じさせる。おそらく狙い通りなのだろう。
2012年 フォレスターXT

2012年 フォレスターXT


今まではエクストレイルやCX-5と比べ一回り下のサイズのクルマだったフォレスターが、ワンランク上の車格になったと言えば解って頂けるだろうか。その割に車両価格はリーズナブル。ベーシックグレードの価格を見たら横滑り防止装置VDC付きの4WDで208万9500円!

お買い得プライスだと評価されているCX-5と比べても好勝負! ほぼフル装備となるCX-5の『20S』(241万円)と、フォレスターの『20i-L』(240万4500円)を比べるとイーブンなのだった。とはいえお互い「売り」は違う。CX-5の場合、販売台数の80%がディーゼル。

今やガソリンエンジンのSUVって売りにくい。そんなことはスバルだって解っている。そこでスバルの必殺技となったアイサイトを組み合わせて来たのである。御存知通り今やアイサイト無しじゃスバル車も売れないほどの人気装備。車名でなく「アイサイトをください」という来店者も少なくないそうな。

確かに10万5000円の上乗せで緊急停止機能を買えるなら魅力的だ。CX-5にも30km/hまで機能する緊急停止装置があるものの、アイサイトほどの性能は持っていない。ということでこのクラスのSUVを買うなら、アイサイトかディーゼルかで悩まなくちゃならない。ガイドならどうするか?

interior

車内インテリア


年間走行距離が長いのであれば、簡易式の緊急停止装置付きのCX-5ディーゼルをすすめておく。燃費の良さは圧倒的だし、何よりパワフルだから乗って楽しい。一方、走行距離の少ない人だとディーゼルのメリットを受けにくい。だったら安全性を重視してアイサイトというチョイスになろう。

本来ならアイサイト+ディーゼルのフォレスターなどが出てくれば最高なのだけれど、スバルの開発チームに聞いてみたら「当分考えていません」。 それならCX-5にアイサイトのような高機能型緊急停止装置付きのモデルを出せばいい? こちらの方が早い段階で実現しそうだ。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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