受験をするか否かに関わらず、入試内容は是非とも身につけさせたい。
小学校受験の内容
まずは、小学校受験の内容をご存知でない方のために簡単に紹介します。小学校受験では、「ペーパー試験」「行動観察」「運動」「面接(本人・保護者)」などの試験が課されます。「ペーパー試験」では、お話や絵を記憶する「記憶力」、図形の異同や欠陥を見つける「図形・注意力」、物体を四方・上方からみた場合の見え方や図形を切断・回転・移動させた場合の変化などを推理する「推理・思考力」、数処理能力をみる「比較・数量」、季節感・マナー・物の数え方などを問う「知識・常識」、などといった小学校入学前に身につけておきたい学力や思考力が試されます。
「行動観察」では子どもたちを小グループに分け、そのグループで積み木遊びなどの遊びを自由にさせ、協調性やリーダーシップ、マナーなどがどの程度備わっているかがチェックされます。
「運動」では、音楽に合わせて体を動かす運動や、マット、鉄棒、ボール遊びなど通じ、基礎体力や指示への対応能力などが見られます。
「面接」では、子どもは、ペーパー試験で出題されるような問題が口頭で質問されたり、好き嫌い、幼稚園での生活についてなど、幅広い内容から質問され、年齢相応のコミュニケーション能力が備わっているかが判断されます。保護者への面接では、志望動機・家庭での教育方針やしつけ・両親の仕事・通学方法や学費についてなど、受験校の教育方針や求める両親像・財政状況などが一致するかが判断されます。
入試内容のメリットデメリット
では、そのような入試に臨むこと(入試に向かって勉強をすること)にはどんなメリットがあるのでしょうか。一つ目は、小学校入学前に思考力や算数力(数量感や空間認識力)、マナー、体力などの基礎がしっかりと身につけられるということが挙げられます。特に幼児期は思考力を育てるのに最適な時期であり、実際、ペーパー試験の問題には、思考力を育てるのに有効な問題が多く出題されます。
二つ目は、四季のイベントや植物に関する問題や公共の場でのマナーに関する問題など、子どもの人間性や感受性を高める問題が多く出題されることです。
ただし、小学校受験のための勉強が子どもの教育に対して良い影響を与えるか否かは、その指導方法に大きく左右されます。
思考力を育てるためには、時間がかかっても自ら試行錯誤させ、様々な角度から考えることが必要です。また、四季のイベントを家族で楽しんだり、花を育てたり、果物狩りにいったりするなど実際に経験をすることが人間性や感受性を高めることにつながります。
そのため、受験合格だけを目指し、解法テクニックばかり教えてしまったり、四季のイベントや植物やマナーを丸暗記させたりする指導方法をとると、思考力や人間性・感受性を育てることは難しくなってきます(それでも、受験は合格するかもしれませんが)。
>>入学後のメリットデメリットについて