機内のタスクアンビエント照明
写真1.壁面や天井を照明する機内照明
半世紀前までは、飛行機に乗ること自体がステータスで、機内の環境も列車とは違う雰囲気に旅人の期待感が高まっていたと思います。近年はLCCなどの進出で、列車の旅行より安く遠方に行けることから、飛行機の利用はより身近なものになりました。しかし、安いからと言って機内環境はどうでもよい訳ではありません。
特に海外旅行で、何時間も狭い機内にいる場合、機内環境の整備が重要になっています、なかでも照明環境の役割は大きく、狭い機内をより広く感じさせるよう、一般に壁面や天井面に対して間接照明で機内全般の明るさをとるなどの工夫が行われています。
写真2.タスクアンビエンド照明
それとは別に天井からスポットライトによる読書灯が設置され、必要に応じて席から自由に点滅できるようになっています。このように全般(環境)照明とタスクライトの併用による、いわゆるタスクアンビエント照明(TAL)が機内照明の主流といえます。
使用光源について、アンビエント照明は蛍光灯で、タスクは小型ハロゲンランプの使用が大半だと思いますが、新しい旅客機から何れの照明もLED化が進んでいます。
写真3.手元を照明するスポットライト
タスクアンビエント照明は、もともとオフィス照明としてかなり前からアメリカで推奨されていた手法で、最近では省エネルギーの観点から住宅照明などにも広く応用が可能な照明手法とされます。
次のページではLED照明による光の制御についてご紹介します。