出席者はLED照明器具を導入した中村江利子さん、まだ導入していない大谷千栄さん、河野佳子さんの3人で、全員ご主人と子供1人の3人家族です。
ダイニングのLEDペンダントライト設置で変わった部屋の雰囲気に3人から歓声も
さらに一歩進んだ使い方は「多灯分散」
ガイド外山(以下、ガイド)「これでフル活用!LED照明器具導入術(前編)」では、LED照明の調光・調色機能を中心に説明していきました。部屋の雰囲気を変えられるだけでなく、その部屋でくつろぐのか、作業をするのかなど、目的に合わせて機能を選択・調整すると、さらに快適に豊かに生活できるわけですね。中村さんはLED照明を導入されて、調光・調色機能をすでにいろいろと試されていますね。
中村さん
そうですね。ただ、子供に絵本を読む時は明るく、くつろぐ時にはやや暗くなど、大まかに取り入れていました。そんなにハッキリと目的別に細かく調節していたわけではありません。
ガイド
それでもいいんですよ。LED照明はそんなに厳密に考えなくても、そのときどきの目的や気分によって調整すれば、機能によるメリットは受けられるものですから。
大谷さん、河野さん
前回のお話では、リビングだけでなく、ダイニングなどでもLED照明の機能を有効に使える場面が多いと感じました。調光や調色は、リモコンで簡単に操作できるのもいいですね。私が知らない間に、LED照明器具のデザインもいろいろなタイプがあり、部屋ごとに合ったものが選べ、家全体をLED照明にできる時代になっていたというのが感想です。浦島太郎の気分です(笑)。
ガイド
さまざまな形状のLED照明器具が販売され、これからの主流になる照明ですから、住まいによりよい形で取り入れてほしいと思います。そこで提案したいのが「多灯分散(一室多灯)」という方法です。
大谷さん
「多灯分散」? 聞きなれない言葉ですね……。
ガイド
日本の多くの家では、部屋にシーリングライトなど、大型照明器具を一つだけ設置して空間全体を照らしています。これが「一室一灯」です。それに対して「多灯分散」とは、一つの部屋に複数の照明器具を導入する照明計画の手法で、欧米ではよく取り入れられているのです。もちろん、普通の照明でも「多灯分散」は可能なのですが、LED照明の「多灯分散」はさらにメリットがあるんです。
中村さん
「多灯分散」では、具体的にLED照明をどう使うのですか?
ガイド
文字通り、一部屋に複数の照明を使用することを「多灯分散」といいます。部屋に照明が一つしか設置されていなければ、どんなシーンでも同じような明かりになってしまいます。それでも照明器具が中村さんのお宅のようにLED照明で、調光や調色機能がついたタイプなら、手元のリモコンなどで簡単に明るさや光の色を変えることができますが、さらにシーンに合わせてきめ細かく演出できるのが「多灯分散」のメリットなのです。複数のLED照明を上手に使いこなせれば、同じ部屋とは思えないくらいに陰影が生まれ、さまざまな表情を楽しめますよ。
次ページでは、中村さんのお宅にLED照明の多灯分散を実際に取り入た様子をお見せしながら、説明しましょう。