火災保険新規加入者の半分以上が地震保険に入っている
安心した暮らしを保つために準備しておきたい
今年8月に、地震保険の加入率データが公表されています。
損害保険料率算出機構が公表したデータによりますと、2011年度中に新たに契約された火災保険のうち、地震保険をセットした割合は全国平均で53.7%となり、前年度より5.6ポイントと急増。東日本大震災後、地震保険をセットして火災保険の契約をした世帯が、とても増えているのです。
具体的な付帯率および加入率は、下表のとおり。付帯率は全都道府県で前年より増えていますが、地域により大きな差異が生じています。2010年に比べて地震保険をセットした割合が特に上がったのは、東北近辺でした。福島県(前年比18%プラス)を筆頭に、宮城県、岩手県が前年比12%程度の増加、さらに茨城県・栃木県で前年比10%程度の増加です。特に宮城県では約81%の世帯が火災保険に地震保険をセットしており、全国平均よりを30ポイント近く上回っているという結果になっています。
ただ、被災した県だからといって必ずしも付帯率が高いわけでもないようです。阪神淡路大震災で大きな被害を受けた兵庫県は、前年よりも5%程度増加しているとはいえ、全国平均よりも低い45.9%にとどまっています。福井地震に見舞われたことのある福井県でも、48.8%となっています。
また地震保険には、世帯加入率のデータもあります。世帯加入率とは、2011年度末の地震保険保有契約件数を住民基本台帳に基づく世帯数で割ったもの。2011年度データはこちらも上がっており、全国平均は26%となっています。
火災保険付帯率よりも世帯加入率が小さな数字になるのは、いうまでもなくすべての世帯が火災保険に入るわけではないからです。世帯によってはJA共済や全労済など、共済団体が提供する火災共済などに入っています。しかし、これらに加入していても、地震保険の加入率には含まれていません。
世帯加入率のトップはやはり宮城県で、全世帯の43.5%が地震保険の契約をしています。
次のページでは、地震保険の仕組みと実態について解説します。