ベン・アフレックがアカデミー賞監督賞候補に?
今回ご紹介する作品は、ベン・アフレック監督作『アルゴ』です。人気俳優として大ヒット作『アルマゲドン』ほか、大作に数多く出演していたアフレック。ジェニファー・ロペスと婚約していたときは「バカップル」と言われ、人気が低迷しましたが、ここ数年の彼の仕事は素晴らしいものがあります。それも監督として、良質な作品を次々と世に送り出しており、ベン・アフレック監督という名がショービジネス界でメキメキと頭角を現してきたのです。そして彼は監督3作目にして、強烈な作品を発表し、本年度のアカデミー賞レースのフロントランナーと言われるほどに。その作品が『アルゴ』です。
物語は1979年、イラン。革命の中、過激派がアメリカ大使館を襲撃して、人質をとります。彼らはアメリカに逃げた前国王の引き渡しを要求。そんな中、大使館員6人が密かに脱出して、カナダ大使の家に匿われます。しかし、見つかれば公開処刑必至。CIAの人質奪還のプロであるトニー(ベン・アフレック)は、彼らをイランから脱出させようとある作戦を提案します。それは大使館員6人を架空の映画「アルゴ」の製作のスタッフに仕立て、ロケハンに来たと偽り、出国させるという作戦。過激派の目をかいくぐり、トニーは彼らを出国させることができるのか……。
ニセの映画製作で大使館人質を救出? これが実話!
イランをロケ地にした「アルゴ」は、SF活劇ということになっています。イランの過激派にどんなに突っ込まれても、決してバレない万全策として、絵コンテも準備し、映画の製作チームを組み、製作発表記者会見も開き、有名媒体に掲載されるよう操作します。しかし、この映画製作がウソであることを知っているのは、CIAのトニーをはじめとするスタッフと政府、そして大使館員を匿うカナダ大使夫妻と大使館員6人だけです。極秘で進む、大胆な作戦! もちろん順調にはいかず、作戦は何度も政府筋から「こんな作戦しかないのか」と却下されます。国の威信と人の命がかかっている、下手すれば大使館員もトニーも殺されてしまうのに、映画の製作スタッフと偽るって……。でもそんなウソ映画で国のピンチを乗り切るというコメディみたいな話だからこそ、緊張感あるサスペンスを生むのですね。何しろ成功しそうにない作戦なのに実話なのですから!
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