「まず安い。それから強度が強い。厚木の感じが残っていて、視覚的にも触覚的にも無垢の木の魅力を味わえる。なかなかいいなとは思っていたんですが、人の家に先に使うのはどうかと…。それで自邸を建てることになって、最初に自分の家で実証してみることにしました。だからここは編成材の実験ハウスであり、ショウルームなんです」
玄関を入ってすぐが大きなリビング、右手に寝室。それを取り囲むように勾配屋根の下屋があり、アトリエ兼倉庫やバスルームなどに振り分けられています。2階は大きな開口部を持つ寝室が2つ。しかし通常の家のように仕切はなく、あくまでもプラスチック製の簡易ドアで仕切る1室空間といえるでしょう。
しかし、どこに立っても庭の緑が目に飛び込んでくるこの家。古谷さんのお父さんの「地面と床が一体感があるでしょ? 床にすわって庭を眺めていると、いろんな種類の鳥たちが来るのが見えるんですよ。まるで庭の中にいるような感覚になります」という言葉が印象的でした。