ホームページ作成/HTML・スタイルシート(CSS)の基礎

CSSの「疑似要素」の書き方 再入門(CSS3対応版)

スタイルの適用先を指定する「セレクタ」には、「疑似要素」という特殊な書き方も用意されています。要素名やclass名を指定するだけでは実現できない「特殊な箇所」に限定して、スタイルを適用できます。

西村 文宏

執筆者:西村 文宏

ホームページ作成ガイド

対象要素の一部分だけに装飾を指定できる「疑似要素」

:first-letter疑似要素の例

▲先頭の1文字だけを対象に装飾

疑似要素は、要素の一部分に対してだけスタイルを適用できる、CSSの仕様の1つです。例えば先頭の1文字だけを装飾対象にする :first-letter疑似要素を使うと、右図のように各段落の先頭文字だけを大きくするようなデザインが作れます。

そのほか、要素の前後に任意の文字列や画像を加えられる :before疑似要素・ :after疑似要素は、HTMLを編集することなくCSS側だけで文字や画像を追加できて便利です。


 
::selection疑似要素の例

▲ユーザが選択した箇所だけを装飾

疑似要素の仕様はCSS3でも拡張されています。今回は、前々回・前回の記事

  1. CSSの「セレクタ」の書き方 再入門(CSS3対応版)
  2. CSSの「疑似クラス」の書き方 再入門(CSS3対応版)

に続いて、CSSのセレクタの書き方のうち、疑似要素の書き方についてをご紹介致します。


 

疑似要素の書き方

疑似要素を使う際のCSSソースの書き方は、CSS2までは、前回ご紹介した「疑似クラス」と同じでした。以下のように、要素名などに続けて半角コロン記号「:」を1つ加え、疑似要素名(下記では「before」疑似要素)を記述します。

疑似要素の書き方(従来の仕様)
要素名:before { プロパティ: 値; }

CSS3では、「疑似クラス」と「疑似要素」を区別するため、「疑似要素」の場合はコロン記号を2つ続けて、以下のように「::」と記述する仕様に変わりました。

新しい疑似要素の書き方(CSS3での仕様)
要素名::before { プロパティ: 値; }

過去の仕様との互換性維持のため、コロン記号1つで記述しても認識はされます。古いブラウザ(IE8以下など)では、この「コロン2つ」の書き方を認識できませんから、現状では「:before」のように「コロン1つ」で記述しておく方が無難でしょう。ただし、CSS3以降で新しく追加される疑似要素に関しては、「コロン2つ」での書き方でしか認識されませんので注意して下さい。

なお、「疑似クラス」の場合と同様に、コロン記号の前(左側)の要素名は、下記のように省略もできます。下記のように書いた場合は、あらゆる要素の先頭行が青色になります。
:first-line { color: blue; }
::first-line { color: blue; }
クラス名が付加されている要素に限定して、さらに疑似要素を追加したい場合は、以下のように記述できます。
p.note:first-line { color: blue; }
p.note::first-line { color: blue; }

本記事で紹介する疑似要素5つ

さて、各「疑似要素」についての詳しい記述方法を解説する前に、まずは本記事でご紹介する「疑似要素」の一覧を掲載しておきます。前回の「疑似クラス」はたくさんありましたが、本記事でご紹介する「疑似要素」は以下の5つです。

  • ::first-letter :要素内の最初の文字のみを装飾
  • ::first-line :要素内の最初の行のみを装飾
  • ::after :要素の内容の後に適用
  • ::before :要素の内容の前に適用
  • ::selection :要素内で、ユーザが選択している箇所のみに適用(※)

※::selection疑似要素は、CSS3の仕様からは外されましたが、表示できるブラウザがあるので紹介しておきます。

それでは、疑似要素の書き方について、順に見ていきましょう
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