腰痛になるとわかる腰の存在感
腰痛がひどいと電車の吊革につかまり、揺れる車内で痛み逃しが大変なケースも
腰痛の経験をしたことがある人からよく聞かれる「腰痛になって初めて腰の大切さがわかりました」という言葉。腰は座っていても立っていても、体を動かしていても、その姿勢を保つ際に要となる部分です。
そのため、日常の何気ない動作でも痛みを感じることで、腰の存在がとてもよく自覚できるようになります。寝返りをうつたびに痛かったり、少し前に屈んだだけでも腰部に突っ張りを感じたりと、1日のうちに何度も腰に意識がいくようになると、それだけでも気疲れしてしまう、という人もいるほどです。
腰痛が改善されたら他の部位が痛む!?
気になる腰痛が軽減していき、痛みから解放された時は「腰痛が良くなるというのは、こんなにも気持ちが楽で、体が軽くなるのか!」と思うかもしれません。ですが、腰痛が気にならなくなってきた一方で、他に気になることが出てくるという人がいます。
- 脚がだるくなりやすい
- ふくらはぎが張ったようになりやすい
- 腰やお尻が冷えているように感じる
- バランス感覚が悪くなった
- 脚の付け根が硬くなった気がする
腰痛が起きている時の体は、あちらこちらに負担が強いられている状態であることが少なくありません。腰部の不調により体を支える機能が低下し、それを補うためにお尻やふくらはぎの筋肉などが疲労してしまうことがあります。
せっかく腰痛が改善されても、他の部位の症状が目立ち始めると、腰痛の時と同様に、座っているだけでも違和感が出たり、歩くのもつらい、という人もいます。多いのは、デスクワークで下肢がだるくなる、坐骨が痛くなる、股関節が痛くて歩くのが苦痛、といったことです。また、片足立ちなど、バランスを保つことができず、ぐらついてしまうことも。
腰痛が完全に良くなっていなくても、エクササイズを無理をしない範囲で行い、腰の働きをフォローしている部位に刺激を入れましょう。
鼻から息を吸いながらひと呼吸おくと気持ちよく姿勢が伸びます
1.安定した場所に立ちましょう。両手を頭上に挙げ、姿勢が伸びる意識を持ちましょう。
なるべく「1」の状態で上半身は伸び上がったまま下肢を動かしましょう
2.両手は合わせたままで、右脚を可能な限り、前方へ出します。
この時、脚の重みで付け根がだるく感じるかもしれませんので、無理のない範囲まで、脚を動かしましょう。そして、足首をゆっくり大きく回します。
例えば、ふくらはぎの緊張が強い人は、ふくらはぎが突っ張ったように感じるかもしれませんが、筋肉がほぐれてくると、つっぱり感も減少していくことが多いです。
上半身がぶれないように気を付けて下肢をうごかしてください
3.弧を描くように、体の真横へ足を運びましょう。この時、できるだけ足を高い位置で動かすとお尻の筋肉に効果的です。特にお尻の横の部分を意識してみましょう。
脚を横から後ろへ動かす時は、お尻をキュッとしめるようにします
4.体の真横から、後方へ。お尻の筋肉がキュッと締まるような意識で。
なるべく上半身を真っ直ぐに保ち、ヒザも曲げない状態で、動かすことができると良いのですが、どの部位の筋肉の緊張が強いかによっては、上半身がぶれたり、ヒザが曲がったりします。この動作も無理の無い範囲で行って下さい。
この一連の動作は、脚を前方から後方へ弧を描くようになめらかに動かすことができると、なお良いです。今度は後方から前方へ動かしてみましょう。
数回往復させたら、反対側も行います。片足立ちをしながら、脚を動かすため最初はふらふらしてバランスが取れないかもしれませんが、繰り返しているうちに不安定性も改善されていくことが多いです。バランスをとることが難しい人は、初めのうちは壁につかまり、上半身をなるべく起こした状態で脚を動かしてみましょう。