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子どもだけでの留守番中に被災したら…(2)

津波による死亡者は7割、しかし迅速に避難すれば8割は助かる--。ショッキングな南海トラフ大地震の被害予測が国から公開され、日本人誰もが当事者意識を持つ必要があります。共働きが増える中、子どもだけで被災した時にどう動くべきか、今回は地震だけでなく津波も踏まえたポイントを紹介します。

家族の待ち合わせ場所を決めておく

訓練

3.11以降、津波を想定して学校から高台に避難する訓練も行われている

前回、東京消防庁などでは「津波の逆流や河川氾濫を想定して、まず高台に避難を」と呼びかけているとお話しましたが、そうした時、ハザードマップで立地リスクがあったり海抜の低い、あるいは液状化リスクのあるエリアの学校では、子どもたちは学校に避難せず高台に逃げている可能性があります。

したがって、子どものいる家庭ではまず、家族で事前にどこに逃げているか避難場所の候補を共有しておくべき。まず、家族は最終的に家で待ち合わせなのか。建物倒壊や落下物の心配ない近くの学校運動場か公園(一次避難場所)なのか。津波や余震・火災などで一時集合場所も危うくなったときには、さらに高台の大きな学校や公園(二次避難場所)なのか。

携帯やネットがつながりにくい中、家族との連絡の取り方や、家族の待ち合わせマップ、家族の役割分担表などを作っておくのもいいでしょう。

自宅内外の注意すべき場所

一次避難場所では次のことに留意する必要があります。
【建物や自宅内で一時安全と思われる場所】
廊下、屋上

授業

家の外の危険な場所は避難場所についても子どもたちは学んでいる

【戸外での避難で注意すべき場所】
住宅密集地(窓ガラスや瓦の落下)
電柱や電線の近く(電線の切断)
河川の近く
ブロック塀や自販機の近く(転倒)

【避難時の約束「お・か・し・も」】
お…押さない
か…駆けない
し…しゃべらない
も…戻らない

簡単なことのようですが、特に「(忘れ物をしても)戻らない」は私たち大人も心がけておきたいところです。

次ページは「子どもだけでの留守番中に被災したら」の場合のルールについて。

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