住まいのプロが提案「イエコト」/プロが提案!住まいのヒント

子どもだけでの留守番中に被災したら…(2)(2ページ目)

津波による死亡者は7割、しかし迅速に避難すれば8割は助かる--。ショッキングな南海トラフ大地震の被害予測が国から公開され、日本人誰もが当事者意識を持つ必要があります。共働きが増える中、子どもだけで被災した時にどう動くべきか、今回は地震だけでなく津波も踏まえたポイントを紹介します。

河名 紀子

執筆者:河名 紀子

家づくりトレンド情報ガイド

家やマンション内の安全な場所を決めておく

家の中で被災した時に被害を最小にするには、家具類の転倒・移動を防止する対策を日頃からしておくことです。家具類が転倒しなくても移動により「挟まれる」「ぶつかる」「避難路がふさがれる」などの二次被害が生じるおそれもあるからです。
安全場所

家の中の安全スペース(東京消防庁ハンドブックより)



家具類の固定はしているという方も多いと思いますが、それに加えて以下の対策をしておくことを東京消防庁のハンドブックでは呼びかけています。

1.キャビネットにガラスがある場合は、ガラス飛散防止フィルムを貼っておく
2.家具を固定しても家具の上に物を置いているとそれが飛んできます。なるべくものを置いておかないようにしましょう
3.キッチン家電などを置く移動式キャスターも簡単に移動します。キャスターロックがあるものは、移動時以外はロックしておく。着脱式移動防止ベルトで壁面に常時つないでおく。
ベルト

家具の移動を防ぐベルト(東京消防庁ハンドブック)



もし子どもが一人もしくは兄弟姉妹だけで家で留守番しているときに地震が来たら……。小中学生は前述のように防災訓練をしているので即座に避難行動できると思いますが、家族としても以下のことを話し合っておきましょう。

1.家の中でなるべく「ものを置かないスペース」をつくっておく
2.緊急地震速報を受けたら、テーブル・机の下か、以下の安全な場所に退避することを教えておく(比較的に安全な場所:自宅内廊下、共用廊下、エレベーターホールなど)
3.揺れがおさまったら、ドアや窓をすぐ開け(出口を確保)、高学年以上は火の元を確認させ(ガスの元栓)、近くの小中学校か家族で事前に話し合った集合場所に避難するように伝えておく

子どもの被災後の心の傷を軽減するために

もう一つ、今回の震災の痛ましい後遺症は、被災した子どもたちの心の傷です。被災した東北の子どもたちの中には、あの日の話に触れそうになる時、大声で泣いたり、逆に正視したくないと無表情が続く子どもたちも多いと言います。

そういう心のショックを少しでも残さないよう、事前に避難や避難所の暮らし(避難所のマンホールトイレや清掃、井戸や水汲み、配給食事、小さな子どもの世話係や高齢者の手伝いなど)に少しずつ慣れておくため、「サバイバルキャンプ」という訓練もしています。

地域や他人のため、兄弟のためにはたらく体験の場が少ない現代にあって、避難所の生活を知り、周囲や他人のために自分ができることを考える機会になっているようです。

以上2回に分けてみてきたように、現在の小中学校では3.11以降日常的に防災教育が行われているように感じました。だから安心ということではなく、私たち大人も「家に不在時」の被災に備えて、日頃から家族の避難行動について話し合っておいたほうがいいでしょう。様々なケースを想定して事前に行動を決めておくことで、子どもも大人もむやみに不安やパニックに陥ることを幾分軽減できるかもしれません。
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