異なる国・文化・サッカー環境に柔軟に適応し、大局を見据えて結果を残す戦略家
サッカー界の名将と呼ばれる海外チームの監督といえば、現レアル・マドリード監督「ジョゼ・モウリーニョ」を挙げます。監督として史上ただ一人UEFAチーム・オブ・ザ・イヤーに4度選ばれ、また欧州3大リーグ優勝を成し遂げた唯一の人物です。モウリーニョが名将だと思う理由は、異なる国、文化、サッカー環境においてただ適応するに止まらず最高の成績、結果を残していることです。
戦略も試合ごとの采配のような局所的な面から、獲得選手のマネジメント、個性の強い一流選手達をまとめ最高のパフォーマンスを引き出しかつ強いチームワークを構築する人心掌握的側面、果ては必要とあらばビッグクラブに変革を迫ることも辞さない大局的視野まで総合的な全体を見据えたものです。
試合で或いはマスコミに対して見せる不遜ともいえる態度や激烈な行動の裏側にはこのような戦略家としての顔、自分の流儀における確固たる信念が垣間見え人間的な魅力になっていると思います。
それにしても彼が元体育教師・通訳で今の名声を博すまでに至った経緯はとても興味深いものです。関心を持たれた方は関連本が何冊か出ていますのでぜひご一読ください。日本とはあまり縁がないモウリーニョですが、東日本大震災の被災者に個人的に60万ユーロを寄付したことはサッカーファンの記憶に新しいところです。