ワールドサッカー/欧州サッカー

イタリア復活の鍵はスタジアムにあり2

CL、UEFA杯と早々に欧州の舞台から姿を消したイタリア勢。強いセリエAの復活を目指して、まず着手するのはクラブ独自のスタジアム建設にありそうだ。だが、実現には問題も多い……。

執筆者:斉藤 健仁

CL、UEFA杯と早々に欧州の舞台から姿を消したイタリア勢。強いセリエAの復活を目指して、まず着手するのはクラブ独自のスタジアム建設にありそうだ。だが、実現には問題も多い……。

ミラノの2チームが袂を分かつ?

ユーヴェに続いて新スタジアムを持ちそうなのが同じ「白黒」がチームカラーのシエナ(写真:斉藤健仁)
ユヴェントスに続いて、ミラノの2つのビッグクラブが新しいスタジアムを持つ可能性が大きそうだ。もともとミランのホームスタジアムだったサン・シーロ(ジュゼッペ・メアッツァ)だったが、市営となり2クラブで共用していた。

そこで、インテル側が高速道路、地下鉄とアクセスの良い市の北西部ロー・ペロ地区の見本市会場のあるロー・フィエーラに2012-13シーズンを目途に6万人規模の新スタジアムを建設予定。これが実現すればミランがサン・シーロを単独使用し、再建設をすることになる。

また、世界最古の銀行と言われる「モンテ・デイ・パスキ銀行」をスポンサーに持つシエナは歴史的地区の南にあるイゾラ・ダルビアに新スタジアムが着工間近だといわれている。フィオレンティーナも2019年にはスタジアムを作る予定だが、郊外ではなく市内に建てるための候補地選びが課題であるという。

「ホーム」の充実が復活への序章に

新スタジアム建設の行方は会長次第?のパレルモは現在市営のレンツォ・バルベラを使用中(写真:斉藤健仁)
やはり、すべてのプロジェクトが順風満帆というわけではなく、場所選びの段階ですでに苦戦しているアタランタなど、資金面や近隣地区やサポーターの理解など障害も少なくない。

スタジアムの賃貸料を大きな収益としている市側の許可が出ない場合もある。地元の建設会社をオーナーに持つボローニャは、6月の市長選が終わるまでプロジェクトの進行をストップしている。

あるいは、オーナーである会長の考えでスタジアム建設のプロジェクトが難航、最悪の場合は白紙になる可能性もある。2011年に完成予定といわれるパレルモの新スタジアムもザンパリーニ会長の度重なる発言の変化によって、建設自体がなくなる可能性も出てきた。

2016年に完成予定としていたレッジーナも、フォーティ会長の「セリエA残留が前提」と明言したことで、現在降格寸前のクラブのスタジアム構想は消えつつある。

2006年のW杯で優勝したイタリア。だが、国内リーグの人気と実力は欧州ではイングランド、スペイン、ドイツに差を広げられている。「ホーム」の充実が強いセリエAの復活の第一歩になるのではないか。
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