将来賃貸目的でマンションを買うのは○であり×でもある
住宅ローンは、賃貸目的のローンではない
管理や修繕が計画的に行われる分譲マンションは、賃貸しやすい資産でしょう。事実、築年数が20年を超えるようなマンションでは、オーナーが賃貸している比率も高くなります。リタイアして年金生活を送る人にとっては、こうした家賃収入は生活の支えになっているケースもあります。リーマンショック以降、30平米台~50平米台のコンパクトマンションの供給が増えたこともあり、一旦居住し将来賃貸として家賃収入を得ることを考えている方も増えているでしょう。
築年数を経るにしたがって、分譲マンションの中で賃貸に出される比率は高くなる。写真はイメージ
また、一般的に住宅ローンが残っている場合、通常新たに住宅ローンは組めません。安易に賃貸に出してしまって、マンションを買おうと思ったらローンが組めなかったということは、避けたいですね。転勤や結婚などの事情があって、マンションを転居する場合は、売却も検討すべきでしょう。当然住宅ローンが完済していたり、親族の援助などで繰り上げ完済できる場合は、賃貸でも良いと思います。
また転勤などで一時的に貸し出す場合は、定期借家契約をお勧めします。定期借家契約とは、期間を限定した賃貸借契約で、更新を拒絶することが可能です。2年間だけ賃貸して、その後自分で住むことも可能です。一般借家契約の場合、建物の老朽化など特別な事由がなければ更新を拒絶できません。売却をする場合でも、投資用マンションを除き、賃貸中よりは空室の方が売却しやすく取引価格も高くなるケースが多いのです。築年数やマンションにもよりますが、一般投資家向けで取引価格は約10~15%のダウン、不動産業者の買取りなら約20%以上ダウンの場合もあります。
貸しやすさを考えると賃料も重要
修繕費も面積で影響
将来の年金不安もあり、不動産投資も今注目されています。マンションを賃貸に将来的に出す場合、留意すべきポイントがあります。いくつか挙げてみますと、まず将来貸しやすいかどうかという点が挙げられます。かつては、分譲マンションの賃貸といえば競争力が非常に高く、引き合いも多かったです。ところが、近年不動産ファンド向けの大規模賃貸マンションが多く建設され、新築マンションなのに礼金がなしとかハードルを下げて募集している物件も見られます。都心だから貸しやすいとも言えない状況なのです。では、どんなマンションが貸しやすいのでしょうか。賃料が安いほうが当然借り手も多くなります。都心エリアでも賃料が20万円を超えると、経営者や法人需要など借り手が限られてきます。賃料単価が同じなら、広すぎないことも貸しやすいマンションの条件です。
クロスの張替えは、専有面積が広いとかなりの金額になる。写真はイメージ
退去は、借主の事情で異なりますが、だいたい4年から5年サイクルが平均的な間隔です。
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