デザイン重視のコンパクトカー
気づけばこんなに値落ちしていて「おいしい!」という中古車をご紹介しているこの企画。今回はボルボC30(現行型)を取り上げたいと思います。ボディサイズで見るとVWゴルフと同じクラスながら、2.4Lと2.5Lターボを搭載しています。2009年3月には2L+デュアルクラッチの2ペダル6速MTという組み合わせのモデルも登場。このモデルは原稿執筆時点で、1万km未満の中古車が100万円台から見つかります
欧州車のコンパクトカーを説明する際、頭に「プレミアム」と付けるのが当たり前のようになってきた2007年7月、ワゴンのイメージが強かったボルボが日本で販売を開始したのがC30です。
かつてボルボが生産していたスポーツワゴンp1800ESを彷彿させる、リアの大きなガラスハッチが目を引く斬新なコンパクトカー。とはいえC30は「ボルボのワゴン」というイメージからすればラゲージはそこそこしかなく、あくまでもガラスハッチはデザインアイテムの一つです。
同時期のVWゴルフ(旧型)と比べ全長で45mm長く、20mm広いものの、全高は70mm低いというサイズで、しかも乗車定員は4名ということからも、この車が見た目をいかに気にしていたかがおわかりいただけるかと思います。
ボルボらしく安全装備も充実。横滑り防止装置や各種エアバッグはもちろん、オプションでサイドミラー付け根に警告灯(ミラーに備わるカメラで、ミラーの死角に車やバイクが入ったと感知すると点灯)も用意されました
だいたい、先述したガラスハッチの元祖であるp1800ES は、4ドアではなく“2”ドア。だからワゴンではなくスポーツワゴンと呼ばれました。また北欧といえば家具のデザインなどで有名なお土地柄。ですからボルボがデザインにこだわることは、当たり前と言えば当たり前です。
つまりC30は、実用性のコンパクトカーではなく、デザインにこだわったプレミアムコンパクトカー。また他よりも少し大きめの2.4Lエンジン(2.4iアクティブと2.4iSE)と2.5Lターボエンジン(T-5)を搭載していたのも特徴の一つです(ミッションはいずれも5AT)。
新車時価格は285万~387万円。それがいよいよ100万円を切るまでに値下がりしてきました。原稿執筆時点での最安値は2007年式2.4iSE(修復歴なし)が3.9万kmで89.9万円です。
確かに実用性ではVWゴルフなど他の競合車に見劣りしますが、これだけお手頃価格になると、円高で手に入れたフリッツハンセンのアリンコチェアが3本足で少し使いにくいけれどまぁいいやと思えるように、多少の使い勝手は二の次!と思える人も多いと思います。
もちろん、外観だけがC30の魅力ではありません。次ページ以降でさらに探っていきましょう。