ディナー料理から御紹介
・肉詰めオリーブのフリット
肉詰めオリーブのフリット
メニューは全て単品メニュー。どれも良心的な価格帯で、ワインが欲しくなるメニューが揃っていますが、メニュー選びに迷われたら、まずは軽くツマミ系で「アッラスコラーナ(肉詰めオリーブのフリット)」を推奨。これはオリーブに肉を入れたものをフリットにした一皿で、マルケ州アスコリ・ピチェーノ県の郷土料理。旨味たっぷり&サクサク食感が心地良く、何個でも食べていたくなる仕上がりでしたね。
マルケ産のスプマンテ
この料理に合わせるワインは、もちろんマルケのスプマンテで。
・肉団子のトマトソース
肉団子のトマトソース
これぞ、マルケ! マンマの味というべき一皿「肉団子(ミートボール)のトマトソース」。トマトソースは「スーゴ・フィント」というマルケ地方でよく食べられるソースで、直訳すると「偽もののソース」。これは肉が入っていないのに、まるで肉が入っているかのように見せかけるために作られたイタリア中部地方の郷土ソースなのです。つまり、偽の肉ソースって感じですね。
シェフの作られる「スーゴ・フィント」はトマトの酸味が肉の旨味を引き立てる、さっぱりテイスト。イタリアの、しかもマルケという通好みな地方で修行されていたシェフだからこその絶妙な味付けの着地点。ブラボーです。
・鶏とパプリカの猟師風
鶏とパプリカの猟師風
続いても肉料理でイタリア中部地方定番の「鶏とパプリカの猟師風(カッチャトーラ)」。シェフのしっかりとした実力の高さと、丁寧な仕事ぶりが伝わってくる完成度の高い仕上がりで、しかも写真のように気前の良いボリューム! 最近はフレンチのようなイタリアンが多いですが、このシンプルさ。これぞ本物のイタリアン(郷土料理)でしょう! 真のイタリア(地方)好きな人にこそ食べていただきたい一皿です。
マルケ料理にはマルケのワインで
これに合わせたワインはシェフの友人が造られているというマルケ産の赤ワイン。猫ラベルがラヴリーです。
マルケは海と山の幸、両方に恵まれた地方ですが、シェフが修行されていた地域はマルケでも山岳エリア。つまり、フィレンツェのような「肉料理」が主流ですので、やはり前菜もメインも肉! 私のような肉好きにはメニューのほとんどが肉というは嬉しい限りですが、この肉料理も多種多様。今回ご紹介した鶏とパプリカの猟師風以外にも、もちろんポルケッタ(イタリア中部の地方料理)もあります! しかもマルケの郷土料理「ウサギのポルケッタ(Coniglio in porchetta)」としてメニューにオンリスト。これは通年メニューですが、仕入れの関係上、確実に食べたい人は予約の上で訪問してくださいませ。
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チチェルキアのパスタを御紹介です