住まいのプロが提案「イエコト」/納得できる『住まい選び』のレッスン

第3の住まい (1)タウンハウス(3ページ目)

~自分らしい住まい選び26~住宅の種類は一戸建てとマンションの2つだけだと思っていませんか。実はあなたに合う、もっといい住まいが、ほかにあるかもしれないのです。今回は、第3の住まいとして、「タウンハウス」をご紹介します。

大久保 恭子

執筆者:大久保 恭子

これからの家族と住まいガイド

タウンハウスに向くのは、欲張りDINKS、ファミリー

入船パークシティタウンハウス

「入船パークシティタウンハウス」。駅徒歩8分、1戸建て感覚で住めるタウンハウス。敷地中央に小公園、各住戸には小庭がついている。

タウンハウスに向くのは、将来子育て意向のあるDINKS、子育て中のファミリーです。都心に比較的近い立地は、通勤時間が短縮できて、働きながら家事・子育てをこなす妻にとって暮らしやすいはずです。

また、文化的な都市生活と自然に親しむ田園生活の両面が得られるので、暮らしの幅が広がりますし、教育の面でも子供の個性に合わせて幅広い選択肢が得られるでしょう。あれもこれもと生活に求めるものが多いタイプに向いている住まいではないでしょうか。

1つの棟が小規模であるため、敷地内に不審者が侵入してきたことを考えても、向こう三軒両隣の目が行き届いているため、子どもを外で遊ばせても安心ですし、居住者間のコミュニティ形成も図りやすいと思われます。

構造は鉄筋コンクリート造、木造があり、木造の場合は、隣住戸の音が気になるという居住者の声もあるようです。以前、私は1980年代のタウンハウスの開発者がお手本にした米国西海岸のタウンハウスを見学したことがあります。どのタウンハウスも、人口湖や海へと続く人工運河が造られていて、プライベートなボートやヨットの船着場を持つ住戸もありました。公園も複数あり、一戸建て単体では実現しにくい豊かな住環境と都心に近い立地がタウンハウスの最大の魅力だと、実感したものです。

日本で実際に販売されているタウンハウスをみていると、残念ながら立地は優れているけれど、住環境づくりの面では今ひとつ(住環境は良好も都心から遠くて、同様に今ひとつ)といった中途半端な物件も目につきます。住んでから後悔しないために、また転売の際の売りやすさ、値崩れのしにくさを考えると、こうした物件はできれば避けたほうが賢明でしょう。
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