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走りの追求&普段使い、最強を選べるM6(3ページ目)

直噴ダウンサイジングターボをはじめとするテクノロジーによりパワーと環境性能を向上させた、Mのフラッグシップとなる新型クーペ&カブリオレ。一足先にスペイン、マラガ周辺でその走りを体感してきました。

西川 淳

執筆者:西川 淳

車ガイド

クーペはドライビングファン徹底追及マシン

BMW M6

高効率エンジンに加え、アイドリングストップ機構やブレーキエネルギー回生システムなどを搭載。旧型(V10エンジン)に比べ最高出力10%/最大トルク30%アップさせつつ、燃費は30%以上も向上させている

身体がすっかり新型M6クーペに馴染んだころ、サーキットに到着した。早速、そのままコースインする。馴染みのコース、まずは挨拶がわりにと、ストレートでフルスロットルを試してみた。もちろん走行モードセットはスポーツ+だ。

M5で既に味わっていたとはいえ、ツインターボパワーは、さすがのひと言。Mのこだわりだろう、トルクのノリは決して過給を強調するようなものじゃない。あくまでもリニアにトルクが立ち上がって、その角度が急、といった風情だ。しかも、エンジンは七千回転以上まできっちりと回る。現在、マーケットで望みうる、最高の直噴マルチシリンダーのターボエンジンの一つだといっていい。

もっとも、かつてのV10エンジンのように、その回転フィールやパワーフィールの官能性にノックアウトされる、という事態には、残念ながら至らなかった。

限界域での味つけは、なかなかにワイルド志向だ。いとも簡単にリアはブレークの兆しをみせる。けれども、車体の剛性と確かなステアリング反応のおかげで、ドライバーはといえば、わりと冷静に対処することができた。それがシャシーポテンシャルの懐の深さということだろう。もちろん、電子制御もほどよく、嫌味にならない程度に手助けしてくれている。ときに、運転が上手くなった気分になれるのは、いかにも現代的な制御だろう。

注目のCCブレーキは、意外にも当たりが柔らかく、踏み込み量のコントロールもしやすかった。もちろん、制動力の方はといえば十ニ分。強力なストッピングパワーを誇っている。

総合的にみて、最強仕様のクーペは、Mらしく、ドライビングファン徹底追究型のマシンだと言っていい。
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