豊富なメニュー、今なお新規メニューの開発も

冷やしたぬきととろろご飯

「冷やしたぬき」と「とろろご飯」

浅野屋ビルの1階に入っている同店。店内へと足を運ぶと、左手手前に小さなカウンター席、右側、そして奥には4人掛け、6人掛けなど複数のテーブル席があります。この日は、最高気温が真夏日(30度)の予報となっていたお昼、12時少し前に飛び込みました。テーブル席が埋まり出していたことと、1人での訪問ということもあり、左手のカウンター席へ。メニューは通常メニューに加え、季節物、ランチタイム専用、おつまみ類も含めて豊富です。行くたびに新規メニューがあるような気がするくらい、老舗店には珍しい旺盛なチャレンジ精神を感じます。

この日はランチメニューの「そばセット」をオーダー。こちらは、好きなそばに、プラス100円で日替わりの炊き込みご飯が付くセットです。私は980円の季節限定「冷やしたぬき」をチョイス。セット合計1080円ですね。ちなみにこの日の炊き込みご飯は……“とろろご飯”でした(炊き込みではない……この日の暑さを考えると、逆にウエルカムですが)。

運ばれてきたそばには、エビ天、きゅうり、錦糸玉子、かまぼこ、わかめ、レタス……具だくさんでちょっとテンションが上がりますね。同店のそばは、そば粉10に対して小麦粉2の“外二八”。細くも角がしっかりあり、硬めに茹でられたそば、少し濃い目のつゆも私好みです。

隣のテーブルで年配の方がオーダーしていた「冷涼麺」(980円)というメニューも気になります。こちらは、冷やし中華のそば版といったイメージでしょうか。
キスの天丼とそばのセット

「きす天丼」と「そば」のセット。そばの冷・温は選択可能

また、お昼限定メニューとして人気なのが、「いか天丼」もしくは、「きす天丼」にそばが付いたセットで、いずれも1000円です。過去に食べたことがありましたが、ボリュームがあり、男性でも満足できる量かと思います。

麺業界最古の“のれん会”「浅和会」を率いる同店

串の刺さっていないそば店の焼き鳥

串の刺さっていない同店の「焼き鳥」(600円)

土曜日に友人と何度か浅野屋本店を訪れたことがあります。狙いはもちろん、“そば店での昼飲み”。そば店のおつまみの代表としては、「板わさ」や「玉子焼き」がありますが、個人的に好きなのが「焼き鳥」です。老舗そば店の焼き鳥は、いわゆる普通の焼き鳥店のように鶏肉が串に刺さってはいないことが多いです。今は“塩”で食べる人が多く、塩で提供する店もありますが、基本は“タレ”だったりします。同店も串なしのタレ、ですね。
“外二八”の同店のそば

“外二八”の同店のそば。「もり」は600円

焼き鳥などおつまみでお酒をいただき、〆にズルズルっと冷たいそばをすする……休日ならではの醍醐味でしょうか。かつては、“食事処”であるとともに、今で言う“居酒屋”のような役割を担っていたそば店。たまに女性一人客が、そば店で昼から飲んでいる姿を見かけるとちょっと嬉しくなり、「失いたくない文化だなぁ」と思ったりします。

店内には「浅和会」の証しである看板も

店内には「浅和会」の証しである看板も

浅野屋本店は1899年、麺業界最古の“のれん会”である「浅和会」を結成。現在は(のれんに関係ない店も含めて)東京を中心に近隣県の62店が加盟する同会の中心店です。ホームページでも謳われていますが、発会の趣意は「麺業界の向上発展や相互扶助。根底にはお客様に対し常に美味しいそばを提供するという事」とあります。この会だけでも100年超え……敬意を払いたくなりますね。

明治初期、“飛脚”から“郵便”へ変わった年に誕生したそば店でランチはいかがでしょうか?

■浅野屋本店
住所:東京都千代田区内神田2-7-9
TEL:03-3254-4351
営業時間:11:00~15:00、17:00~21:30(土曜日は15時まで)
定休日:第1、3土曜日、日・祝
地図:Yahoo! 地図情報
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