腰痛の人との関わり方が回復に影響する?
周囲に理解され難い腰痛。症状を我慢して仕事を頑張っている人が多いです
腰痛には、ぎっくり腰のように突然見舞われる腰痛と、なかなかスッキリと解消されにくい慢性的な腰痛とがあります。ご本人にとっては、急性の腰痛も慢性の腰痛も、痛みを伴いツライ思いをしていることには変わりないのですが、腰痛では無い人にはその状態は理解してもらいにくいと感じている人もいるようです。腰痛で苦しんでいる人と周囲との関わりが、意外にも回復に影響を与えている可能性があります。腰痛でつらい状態の人の声に耳を傾けたことがあるでしょうか?
スッキリ痛みがとれない腰痛にうんざり
ぎっくり腰といった急に起こる腰痛は、程度によっては痛みが強く身動きがとれないため、会社を数日間休まざるを得ない場合もあります。比較的、痛みから早く解放されやすいため、その後、元気よく今まで通りに仕事をすることが可能であることが多いようですが、ぎっくり腰を繰り返し起こしている人にとっては「またぎっくり腰かぁ……。」とうんざりして、激痛が改善されても腰が気になって仕方がないといった状態になる場合もあります。ぎっくり腰の痛みが強く、その様子が周囲からも分かりやすいケースでは、職場で機敏な動作ができなくても「ぎっくり腰だから痛くて動きにくいのも当然だろう」と、理解が得られやすいかもしれませんが、ご本人の苦痛がなかなか周囲に伝わりづらいのは激痛後、症状を我慢しながら日常動作ができるような回復へ向かう途中の腰痛や、だらだらと続く慢性的な腰痛です。
理解されないイライラ感が影響する?
腰痛の苦痛、不満をたくさん抱えてイライラが続いてしまう人もいます
周囲の人々が、腰痛に対して過剰反応し過ぎてしまうと、それもまた腰痛意識の過剰な擦り込みとなり、慢性化させてしまう要素となりうるのですが、その逆もあり「腰痛の痛みや不安を理解してもらえない」という気持ちによるストレスの蓄積は、腰痛の人にとって大きな問題となっているようです。心理的なストレスは痛みと結びつきやすいため、できるだけ腰痛の人が抱えるストレスは軽減させることが理想的なのです。
腰痛の人の気持ちを察してみよう
思うように体を動かすことができないと、どんな気持ちになるか考えてみましょう
しかし、完全に痛みを理解をしてあげられないとしても、症状のつらさや心配事を面倒くさがらずに聞く姿勢が伝わるだけでも、腰痛の人は気持ちが楽になることもあります。 手助けをするにも「腰痛で困ることは何か?」ということが思いつかない場合は、さりげなくご本人に要望を尋ねてみてはいかがでしょうか。もしくは「腰痛」と考えずに「体が思うように動かせなかったら、どんなことが不便に感じるだろうか」「どんなことが不安になるだろうか」と思いめぐらせると、腰痛の人の気持ちに添えるかもしれません。
腰痛の人の抱えている不満とは?
それでは、腰痛の人が不満に感じている周囲とのギャップについて、いくつか挙げてみましょう。腰痛の人は、少々のことでも無理してしまう頑張り屋さんや、感受性の強い人、小さいことにでも気が付いて、対処しようとする真面目なタイプの人が多いように感じます。そういったことも頭の片隅に入れ、下記の例も参考にしつつ接してみると、また違ったヒントが得られるかもしれませんね。- 何かあるごとに腰が痛むのは「腰を気にし過ぎだからだ!」「本当は、気のせいなんじゃないの?」と言われる
- パソコンの前に座っている状態がつらくて、立ち上がる回数が増え仕事に集中できないでいたら「最近、やる気ないんじゃない?」と言われた
- 「放っておけばそのうち治るよ」ととても軽い口調で言われる
- 「腰痛も大変だろうから、抱えている仕事は後輩に振り分けて、仕事量減らしていいよ」と上司から言われたが、振り分けるどころか、いつも通りに私に仕事を振ってくる上司。結局、仕事量が増えてしまった
- 「運動不足なんじゃないの?」とひと言で簡単に片づけられてしまう。毎日疲れているし、運動に費やす時間も無いのに!
- 「そんなに痛むなら、ゆっくり休んでいいよ」と主人に言われたが、家事も育児も手伝ってくれず、結局は休息がとれず、 腰痛が長引いている
- 腰痛を理由に定時で帰宅できる雰囲気の職場ではない。同僚には「たかが腰痛でしょ?」と、大袈裟だというふうにとられている