ニューリッチへの道/ニューリッチへの道

誰を投資の先生にするか? が極めて重要である理由(3ページ目)

このところ、エセ投資アドバイザーに対する注意喚起のコラムを書いたため、批判的な問い合わせをいただきました。一般読者に向けて、「アドバイザーを選ぶときの注意」で書いたのですが、一般読者からではなく、当該のFPや評論家からの批判です。その反論に回答することは、読者にとっても「自分はどういう目的で、誰の情報に耳を傾けるか」を判断する参考になると思いましたので、私の個人的な考えとスタンスをご紹介します。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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成功者は成功以上に失敗を経験している

実績が出ている人=成功者と定義するのは極論かもしれませんが、成功者と言い換えたほうがわかりやすいので、「成功者から学ぶ」と置き換えます。

成功者が成功した本質を洞察してみましょう。成功者の発言が、全部ではないにしろ、なぜ成功していない人より信用に値するかというと、成功者は、その裏側で必ず失敗も数多く経験しているからです。私の周りの成功者も、「今は」成功しているだけであり、過去にはものすごい数の失敗をしています。つまり、成功も失敗も両方経験しているのが成功者です。成功とは、失敗の延長線上にあるからです。だからこそ、経験の引き出しが多く、その言葉は深い。

もっとも大きい要素は、一度成功体験をした人は、「見えている世界が変わる」ということです。たとえば従業員と経営者くらい見えるものがまるで違う。スピリチュアルな言い方ですが、普通の人には見えないものが見えているのです。なかなか言葉で表現できないのですが、「努力」と「成果」の間に存在する、ミッシングリンクのようなものです。うまくいったとき、失敗したときの精神状態、復活方法、注意点は、これはやはり、修羅場を経験しないと語れないものです。もちろん、自分の成功と失敗を冷静に分析し、教訓としてわかりやすく情報発信するには、また別のスキルが必要かもしれません。

専門性のタコツボに陥る人々

私の発言に拒否反応を起こす人は、扱う領域が狭い人に多いようです。専門や手法がひとつしかなければ、その分野にすがりつくしかありません。ひとつの方法、分野に依存すると、それを批判されたときに過激に反応します。なぜなら、それを否定されてしまうと、自分の存在意義を失ってしまうからです。自分の専門分野にしがみつくと、自分の方法を覆すような新しい手法が出たときでも、素直に学べないという弱点があります。

たとえば高速サーバを証券取引所のアローヘッドシステムにつなぎ、1000分の1秒単位で日経225と225mini間のサヤ、限月間のサヤを見つけ出しアービトラージする方法なんてのは、一般の投資アドバイザーは試せないし紹介もできないでしょう。そして、これがきわめて安全な投資手法であることも理解できないと思います。それに、自分のポジション(立場・商売)によっても発言は左右されます。不動産屋は、「今は不動産を買う時期じゃない」とは言いません。株屋は、「今は株を買う時期じゃない」とは言いません。なぜなら、そんなことを言えば、自分がおまんまを食べることができなくなるからです。彼らも仕事です。生きるのに必死なのです。

海外投資なら海外だけ、金投資なら金だけ、投信の人は投信だけ。保険屋は保険だけ。不動産屋は不動産だけ、株屋は株だけ。やむをえないことです。

もちろん、自分が本当によいと信じることを発信するのは当然ですし、専門性を絞って追求するのもまた大切なことです。しかし、それが本当に顧客のためになるのだろうか、とも思うのです。そんな疑問を持っている私自身、専門性のタコツボに陥らないように意識しています。自分の専門分野は核として持っていても、それにしがみつかなくてもいいよう、私はいろいろな投資商品に、自分が実験台になって挑戦しています。事業も、複数のビジネスを手がけています。
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