リマスターとアーカイブス
『ICO』や『ワンダと巨像』、『メタルギアソリッド』シリーズ、『大神絶景版』など、近年多くのPS2用タイトルがPS3にリマスターされている。多くはPS3に最適化するため映像のワイド化、音声のサラウンド化などに対応し、ただの移植にはとどまらないリッチなプレイ環境を提供している。
実は海外の下請けスタジオでリマスターされている、というケースがほとんどだが、元になるタイトルに手間がかけられているのは確かだ。PS2用として開発されたゲームをPS3に移植するには、ゲームの材料を解体し、それぞれをPS3用に再構築する必要がある。
対してゲームアーカイブスの場合、ゲームのデータはほぼオリジナルのまま使用される。PS3の中に仮想のPSを構築し、その上でPSのソフトを動かしている。PS2アーカイブスも同様の手法を取ると思われるが、現状詳細は定かではない。
当然PS3に最適化されたリマスターの方が、ゲームアーカイブスより映像面でも音響面でもリッチな環境が約束されるが、動作確認さえ取れれば手を加えなくてもそのままPS2のタイトルが配信できるというのは、ゲームメーカーにとってもなかなかに美味しいビジネスとなる。
とは言え、先程も言ったリマスターとゲームアーカイブスは競合する可能性がある。同じタイトルでもアーカイブスで登場するかリマスターで登場するかでユーザーの受け止め方も違うし、コンテンツとしてのあり方もかなり違ってくるだろう。
つまり「思い出のゲームがそのまま遊べる」か「更に高いクオリティーであの名作が遊べる」かの違いだ。そしてこの違いはゲームメーカーがそれぞれの違いを「どう生かすか」にもかかってくる。