初期受注の7割が“ブルーパフォーマンス”
世界で最も厳しい日本のポスト新長期排気ガス規制をクリア(もちろんユーロ6も)する最新のディーゼルターボエンジンを積んだX5は、日本で発表発売後たちまち人気を博し、初期受注では何と7割のX5が“ブルーパフォーマンス”だったという。
もっとも、エコカー減税とクリエネ補助金をもらえれば、従来のガソリン35iより安く買えたわけだから、7割どころか8割9割がディーゼルご指名、となってもおかしくなかった。
このE70型X5は現行型とはいえ、デビューしたのは2007年だったから、はや5年が経ったモデルということもあるだろう。それ自体の人気もひと段落ついたのちのフェイスリフト&ディーゼルモデルの登場という事情も、ディーゼル人気に拍車をかけたのだ。
最新世代の直噴ユニットを3リッター直6ディーゼルターボ+8ATに組み合わせ、V8モデル級のパフォーマンスをガソリン直6搭載車より3割もいい燃費で実現した、というのがBMWのセールストークである。なるほど、既存グレードとのスペックだけを比較すれば、パワーこそガソリンモデルに劣るものの、SUVの日常利用でモノを言うトルクの数値では、ガソリン35iを大きく上回り、V8ツインターボの50iに迫る勢い。それでけっこうお買い得、燃費もいいというのであれば、もはや特殊なX5Mでも狙うというのでないかぎり、フツウのガソリンモデルを買う理由など見当たらないのかも。
最新ニュースによれば、そのMにしたってディーゼル搭載車が出る(Mパフォーマンスという新シリーズだ)。パフォーマンスと燃費の両立において、プレミアムブランドのディーゼル化は、一部ハイエンドのハイブリッド化とともに、ここ日本の市場でも徐々に当り前になっていくことだろう。