価格設定も巧み、多岐に渡るBMWのエコカー戦略
ポスト新長期規制に適合するディーゼルエンジンを搭載するBMWブルーパフォーマンスモデルの第1弾、X5xドライブ35dブルーパフォーマンス。ボディサイズは全長4860mm×全幅1935mm×全高1775mm。価格はガソリンエンジンの35iより41万円高い839万円
EV主役の新ブランド“i”のたちあげや、トヨタとの提携拡大など、このところ話題の尽きることがないBMW。特に、トヨタ関連ではスポーツカー話もさることながら電池や軽量化といった“エコカー”技術に主眼が置かれているようだ。とはいえ、BMWが今、その分野で遅れているかというと、そうではない。むしろ、独プレミアム勢のなかで、際立って推し進めているようにみえる。
もっとも、きょうびエコカーじゃないクルマ、の方が少ないわけで、そろそろこういう呼び方も廃れることだろう。いっそ、炭酸ガス排出量200以上を“エゴカー”とでも呼ぶか。いやいや、二酸化炭素悪者説もかなり怪しくなってきたし、石油やガスが尽きるらしいことも非現実的になってきた今、そのあたりの考え方もどうかと思うが、まあ、きれいにこしたことはない。
BMWの最新戦略は多岐に及んでいる。セダンやSUVのハイブリッドモデルに続いて、クリーンディーゼル搭載車がついに日本市場にも登場し、さらに近い将来にはiブランドからレンジエクステンダーやフルEVも現れる予定、とくれば、そのうえトヨタと組んで何出すの? とさえ思ってしまうほど。
しかも、日本市場での、それらエコカーの価格戦略が非常に巧みだ。円高背景とはいえ、想像以上にリーズナブル。おそらく、これを機にBMWは新たなユーザー層を獲得し、いっきに囲い込みたいのだろう。