腰痛/腰痛の原因・しくみ・腰痛に潜む病気

腰痛治療後に起きる腰痛とは?

腰痛の治療後や経過観察中に、症状が軽減していく中、再発を思わせるような腰の違和感を覚えることも。どのようなことが考えられるのでしょうか?

檜垣 暁子

執筆者:檜垣 暁子

カイロプラクティック理学士 / 肩こり・腰痛ガイド

腰痛がふたたび?

回復してきたはずの腰痛。ところが腰にふたたび違和感が?

回復してきたはずの腰痛。ところが腰にふたたび違和感が?

腰痛を起こす原因には、いろいろなものがあります。レントゲンやMRIなどの画像検査も取り入れ、痛みの原因を探ることができるケースや、内臓や血管の問題から起きているケースなどもあります。

そのため、それぞれの原因により、対処・治療方法も複数あります。中には入院や自宅療養といった、体を横たえ寝た状態で過ごすことが必要なケースもあるということになります。また、特別な治療を受けずに、経過を観察するような、原因のはっきりしない腰痛もあります。そういったあらゆる腰痛を含め、治療過程や治療後に、回復させてきたはずの腰に不快な症状がみられ困った、といった話を聞くことがあります。
 

二次的に起こる腰痛

腰痛の根源を取り除く処置や経過観察によって、少しずつ痛みが軽減していったケースで、ふたたび腰に不快感が表れる可能性があるのはなぜでしょうか? 対処してきた腰痛治療が不完全だったのでは?と誤解しかねないかもしれませんが、そうではなく、二次的に起こりうる腰部の問題が考えられます。実際にはどのようなケースがあるのでしょうか?
  

【ケースその1】 成功した手術後

投薬や手術といった処置をして、腰痛やそれに伴う下肢への痛みやしびれを軽減させるための治療を進めました。その甲斐あって、腰痛の根源の治療は成功し、下肢症状も改善、歩行もとても楽になりました。

しかし、まだ無症状の時のようには、動き回ることができる状態ではないので、しばらくは仕事も休み療養することに。少しずつ今まで通りの日常生活を取り戻しつつある頃、「あれ? 腰に違和感?」と治療が終わったはずの腰に不快感を覚えるようになりました。姿勢を変える時に腰がつっぱったり、鈍痛を感じたりします。このままだと再発してしまうのでは……と不安になりました。
 

【ケースその2】 経過観察中の腰痛

子供の運動会で綱引きに参加。久しぶりに体を動かしたせいか、翌朝には全身に筋肉痛が。あちこち痛いと思いつつ、布団から起き上がろうとしたところ、腰に軽い痛みが走りました。動作で腰が痛むものの、我慢はできる程度なので市販の湿布を貼って、日々過ごしていましたが、完全には腰痛が改善されず。

デスクワークで座っている姿勢がつらく感じるようになり、腰痛が以前より増したように思えるほどに。病院の検査では異常はみられず、様子をみることに。今では靴下をはく動作もぎこちなくなってきました。
 

腰に違和感が出る原因は?

安静の期間が長い場合も筋肉が緊張しやすくなります

安静の期間が長い場合も筋肉が緊張しやすくなります

こうしたケースのように、回復が順調かと思われたのに、再発が心配になる症状が感じられたり、腰痛になる前と同じくらいの良いコンディションにならなかったりすることがあります。この場合、考えられることは、腰痛に関係する関節の動く範囲が減少していること、それに伴い筋肉が本来の働きをすることができず、強張り血流が滞りやすくなっていることなどが挙げられます。

こういった状態は、療養期間が長く、1日のうちでも横になっている時間が多い場合にもなりやすいです。腰の手術に伴い、楽な動作パターンが決まってきつつある場合は、体の使い方に偏りが出てしまい、結果的に腰部の筋肉疲労を招きやすくする可能性もあります。また、腰痛の悪循環に陥りやすいパターンとして考えられるのが、腰への不安感を常に感じ、精神的な緊張が腰痛を引き起こし、回復が遅れてしまうというものです。
 

予防方法はあるのか?

診察を受けている場合は、運動のタイミングの支持を受けてください

診察を受けている場合は、運動のタイミングの指示を受けてください

こうした二次的に起こりうる腰の違和感を予防するには、治療していた(または経過観察をしていた)腰痛の回復過程から、予防に取り組む方が、効果的であるケースが多いです。医師からの指示がある場合は、その通りに対処してください。とくに指示や注意指導が無い場合(手術後日常生活に影響を与えなくなるレベルになったら)、必要以上に体の動きを制限させない意識をもつことがポイントです。

必要以上に体の動きが制限されると、血流を促進させたい腰部の筋肉や関節をとりまく組織にマイナスな影響を与える心配が出ます。まずは、布団に寝転んだ姿勢でできるストレッチや体操を少しずつ始めていきましょう。最初から厳しく取り組む必要はなく、しばらくお休みしていた動きを体に思い出してもらうような意識をもつとよいと思います。
 

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