叱ることの功罪
決められたルールの中で成果をあげていかなければならない職場では「叱り」が必要なシーンがあります。適切な叱りは、間違った方向へ行ってしまうことを防ぐ、行動を改善させる、反省を促すといった効果があります。「叱られたことがきっかけになって成長できた」という経験がある人もいるでしょう。しかしながら、配慮のない伝え方やタイミングでは、ヤル気をそぐ結果になり逆効果。自分が怒っていることを「指導」と正当化しているモンスター上司は論外ですが、最近では、配慮のある叱りができる人でも「叱り過ぎ」といった受け止め方をされることが増えています。「叱り」は薬にも毒にもなる劇薬です。叱りを効果に繋げてもらうにはどのようにすればいいのか。まずは叱られた時の解釈の違いから考えていきましょう。
ゆとり世代は叱られるとこう感じる!
感じ方の違いを知ることが効果的な叱りにつながる
「やる気がないなら辞めろ」「少しは考えろ」ー。こういった叱られ方をして育ってきた世代の人は、ゆとり世代の人達にも同じような叱り方をしてしまいます。「今のままではダメだということに気づいて、行動を変えなさい」という意味が込められているのですが、ゆとり世代は「ヤル気はあるのに怒鳴られた」「一生懸命やっているのに辞めろと言われた」「怒るばかりで、どの部分を考えればいいのか指導がない」と受け止めます。
「叱り」による成長はなく、上司への不信感や離職に繋がってしまう理由は、伝え方と受け止め方のミスマッチなのです。これを「ゆとり世代はちょっと注意しただけで辞める」「叱っても、どこが悪いのかと開き直る」といったように解釈するのはもったいないことです。感じ方の特性がわかれば、相手が動きやすいように伝え方ができるのです。具体的にどのような叱り方がNGで、どのような叱り方をすれば効果がでるのか次のページでご紹介します。