事実婚のファースト・レディーが誕生するフランスに学べることは?

あなたが欲しいものは、本当に結婚しなければ手に入れられない?

あなたが欲しいものは、本当に結婚しなければ手に入れられない?

このようなテーマを話題にしても、日本では、「それは遠いフランスの話で、自分たちの恋愛観や結婚観とは関係がない」と気に留めない人もいるでしょう。しかし、愛する人と一緒にいたいという根本的な気持ちは、どの国のカップルにも大きな差はないと私は思います。そこで、なぜ、フランス人は「ユニオン・リーブル」で構わないと考えているのか考察してみましょう。

1、愛に自信があるから
日本では、「結婚をすることが愛の証」と思っている人が多いです。しかし、フランスではそのような考えは、むしろ一般的ではありません。当然、ユニオン・リーブルを選択するカップルの中には、将来に結婚やPACSを想定している人もいるでしょうが、愛を大事にするからこそ、敢えて「ユニオン・リーブル」を選択し続ける人もいます。もしも結婚によって、恋愛の時よりも2人の愛が補強され、絆が深まると仮定するならば、なぜ日本は3組に1組の夫婦が離婚しているのでしょうか?

2、子どもを持つために結婚する必要がないから
日本では、結婚の目的の1つとして「子どもを持つこと」と考える人がいます。しかし、フランスでは、2006年に完全に婚外子差別はなくなり、誕生する子どもの半数以上が、結婚していないカップルから生まれています。子どもを持つ前提条件を整えるために、子どもが生まれる前に「結婚する」という考え方はありません。子どもの親であることと、その親同士が結婚していることとは全く別次元のことなのです。フランスでは、子どもの出生後、父親が「自分がこの子どもの父親である」という届け出を出すシステムです。日本も婚外子差別の項目がなくなれば、「子どもが欲しいなら、まず結婚」という考え方は改められていくことでしょう。

3、女性が経済的に自立することが可能な社会だから
日本では、特に未婚女性の中には、結婚の目的の1つとして「経済的な安定」と考える人が、まだ少なくありません。その背景には、男女の賃金格差の問題があったり、出産や育児で一旦職場を離れると職場復帰や再就職が困難でキャリアを放棄せざるえない状況があったりします。それゆえ女性は、夫の収入に頼らざるを得ません。しかし、賃金格差が是正され、育児サポートが充実し、女性の職場環境が改善され、女性が生涯に渡り、経済的に自立できる社会が整っていれば、配偶者に依存する必要はありません。OECD ”Employment Outlook2010”によると、OECD諸国の女性の25~54歳の就業率を比較したデータで、30か国中フランスは10位、日本は22位です。

いまだに多くの日本人が、結婚に憧れています。しかし、私たちが結婚しないと得られないと思っているものは、本当に結婚しなければ手に入れられないことなのでしょうか?フランス史上初の事実婚のファースト・レディーの誕生を機に、自分たちの結婚観、恋愛観を見直してみませんか?

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・本文中に引用したHarris Interactiveの調査データ

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