結婚することよりも、アムール(愛)が大切なフランスの選択肢

哲学者サルトルとボーヴォワールの自由で自立した男女関係は、2011年、日本で も映画「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」が公開され再び話題になった

哲学者サルトルとボーヴォワールの自由で自立した男女関係は、2011年、日本でも映画「サルトルとボーヴォワール 哲学と愛」が公開され再び話題になった。

フランス婚というと、最近、日本でも知られるようになったPACS(民事連帯契約:1999年に制定)という結婚に準ずるようなパートナーシップ法制度もフランスにはありますが、「事実婚」と誤訳されたり、ユニオン・リーブルと混同されて、伝えられることもあります。ウィキペディアの日本語版や、最近のニュースやコラムなどで、今回の新大統領のパートナーとの関係が、PACSであると、間違って報道されてるのをよく見かけますが、オランド大統領とバレリーさんの関係は、ユニオン・リーブルです。

フランスでは、形式に囚われず、お互いの自由や実態を大切にする愛情関係が増えています。結婚することよりも、アムール(愛)が大切という価値観が文化的に強いようです。

自由で自立した愛情関係というと、古くは、サルトルとボーボワールの関係が、日本でも有名ですね。また、フランスの国民的なシャンソン歌手でソングライターだったジョルジュ・ブラッサンスも「僕は君に求婚しない。愛し合い信じ合っているのに、どうして法制度のもとで二人の愛を誓わなければならないの?永遠にフィアンセ気取りで恋人のままでいよう」と歌い、結婚制度を否定し、生涯、パートナーとは非婚関係のままでした。

非婚関係の恋愛は、最初は、進歩的な知識人や芸術家が中心でしたが、だんだんと一般の人たちにも浸透していきました。特に、1968年の5月革命と呼ばれる政治的かつ文化的な大きな変化がきっかけとなりました。市民の意識や法制度が、これ以降、大きく変わっていきます。女性の法的な地位が向上し、女性の社会進出が拡がり、自立した女性が増えたことによって、自立した関係であれば結婚していようが結婚していまいが関係ないという意識が高まり、ユニオン・リーブルが広がりました。