『ママより女』の著者、フランス人ジャーナリスト、ドラ・トーザンさんにインタビュー

日仏の懸け橋として活躍するジャーナリスト、ドラ・トーザンさん

日仏の懸け橋として活躍するジャーナリスト、ドラ・トーザンさん

フランスといえば、恋愛大国というイメージが強いですが、実際のところはどうなのでしょうか?2011年3月に『ママより女』(小学館)を出版されたフランス人ジャーナリスト、ドラ・トーザンさんに、フランス人の恋愛観や結婚事情について、そして日本との違いなどについて伺いました。


ドラ・トーザン (Dora Tauzin)さん
国際ジャーナリスト。エッセイスト。フランス・パリ生まれ。1992年から5年間NHK教育テレビ『フランス語会話』に出演。慶應義塾大学講師を経て、現在は、東京日仏学院、アカデミー・デュ・ヴァンで講師を務める。テレビや講演会など各方面で活躍しながら多彩な執筆活動を続け、エネルギッシュな生活を送っている。『願いを叶えるDoraのドラ猫』(青萠堂)『パリジェンヌ流おしゃれな自分革命』(飛鳥新社)など他多数。 公式サイト:日本とフランスの架け橋 ドラ・トーザン.net(DoraTauzinドラトーザン)

結婚に人気がないフランス

西郷:まず、昨今の日本での婚活ブームについては、どう思われますか?

ドラさん:結婚に関して、日本では、両親や社会からのプレッシャーがとても大きいようですね。日本のメディア、特に女性向けの雑誌の影響力は強いですね。雑誌が伝えているのは、世論ではなくて、ビジネスが絡んでいることもあります。だから読み手も、記事の背後にはお金を出しているスポンサーがいると、考えた方がいいかもしれないですね。

西郷:日本では、「恋愛よりも結婚して落ち着きたい」と言う人がいるぐらい結婚に憧れる女性が多いですが、フランスでは、どうですか?

ドラさん:フランスで結婚したい人?!全然いないですよ(笑)。パリでは、ほんの少しはいますが、凄くマイノリティな存在です。「いい人を見付けたい」とは皆よく言っていますが、結婚はほんとに人気がないですね。

カップルで一番多いのはユニオン・リーブル(Union Libre)です。直訳すると「自由な結び付き」。「同棲」ほど軽い意味ではなく、日本でいう「事実婚」に近いですね。届け出を出すわけではないので、実数は把握できないですが、ごく一般的です。

そして今、人気なのが、パクス(PACS:連帯民事契約)という結婚より緩やかな法的な契約関係。パートナーシップ法の一種として、最近、日本でも紹介され始めています。

これは当初、ゲイ(同性愛者)のカップルが、結婚のように互いの関係を法的に認めさせる運動として、法案化され、1999年に制定されました。面白いことに、スタート時は、ゲイ・カップルの利用者が多かったのですが、今ではヘテロ(異性愛)のカップルが約9割になっています。同棲と結婚の間のようなもので、税金の控除や財産所有権の面で婚姻関係に準じるメリットが受けられます。

パクスを結ぶカップルは年々増え続け、2010年では約20万組。一方、結婚は年々減っていて、2010年では約25万組。数字が逆転するのも近いでしょう。フランスの離婚の手続きは大変ですが、パクスなら解消したい時は一方からでも簡単にできるのも利点です。