ストレス/ストレス発散・解消法

「こころの安全基地」を持つ人がストレスに強いわけ(2ページ目)

ストレスあふれる現代に必要なものは、お金、保障・・・・・・ところで、かけがえのないものを忘れていませんか? 傷ついた心を癒し、明日に一歩踏み出す力を与えてくれる「こころの安全基地」を確認しておきましょう。

大美賀 直子

執筆者:大美賀 直子

公認心理師・産業カウンセラー /ストレス ガイド

「こころの安全基地」は一つに限定しない

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「こころの安全基地」をいくつか持っておこう

幼い子どもなら、お母さんが安全基地としての役割を担ってくれますが、いつまでも親に頼るわけにもいきません。成長してからは、「こころの安全基地」を自分で築き、育てていかなければなりません。

その関係をパートナーや家族に見出すことができれば、これほどラッキーなことはありません。しかし、誰もがそんな恵まれた環境にいるわけではなく、外で「七人の敵」と戦い、家に帰れば「八人目の敵」と戦う、という笑えない現実と向き合っている人も多いでしょう。

「こころの安全基地」はパートナーや家族に限らず、友だちでも職場の同僚でも、SNSの仲間でもいいのです。素の自分をさらけ出し、「情けない自分」「ダメな自分」をグチれる関係。いつでもなぐさめ合え、応援し合える仲間。いざというときには助け合える間柄。そんな信頼し合える人たちに出会えたら、「こころの安全基地」として育て、長く大切にしていきましょう。

ただし、「こころの安全基地」は一つに限定しないことです。家族、恋人、親友など、付き合いが一つの関係だけに集中してしまうと、その関係は途端に息苦しいものになり、摩擦や嫉妬も生まれかねません。そこにトラブルが起こると、ストレスを解消する手段をなくしてしまいます。

私はよく「人付き合いの拠点は3点確保以上で」とお伝えしていますが、「こころの安全基地」も分散させた方がいいのです。すると、その関係が少しギクシャクしても、他の関係が順調なら気に病みすぎることもありません。失うことを恐れず、安心して冷却期間を置くこともできます。

「こころの安全基地」は近しい人、古い友人に限らず、今、ここからでも広げていけます。たくさんの人と知り合い、気持ちを受け止め合い、応援し合える仲間に出会えたら、その関係を大事に育てていきましょう。そんな「こころの安全基地」をいくつか持てば、明日も頑張って時代の荒波を乗り越えていけるでしょう。
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