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和ろうそくのできるまで(2ページ目)

和蝋燭(わろうそく)は、一般的なパラフィン製のキャンドルやオイルランプよりも炎が大きく、炎もちの良いことが特徴です。今回は、和蝋燭を手作りしている愛媛県の内子にある大森ろうそく店をご紹介します。

中島 龍興

執筆者:中島 龍興

照明ガイド

和ろうそくのできるまで

ハゼの実

写真4.ハゼの実

お店のパンフレットによると和ろうそくはハゼの実(写真4)を細かく潰して蒸し、それを圧搾して採取した木蝋を使います。(写真5)最初に竹串に和紙と燈心草の芯を巻きつけ、真綿で止めた、和ろうそくの芯を作ります。

次に蝋を40~45℃くらいの温度で溶かし、それを素手ですくい上げて芯を転がしながら塗り重ね、乾かし、これを何回か繰り返して、少しずつ芯を太くしていきます。

 

ハゼの実を蒸して圧搾した木蝋

写真5.ハゼの実を蒸して圧搾した木蝋

そして、最後に50℃くらいの温度で溶かした蝋で艶を出し、一種独特のうぐいす色の艶を持ったろうそくが出来上がります。手作りのろうそくは頭の部分がやや太く、切り口を見ると幾重の層を持って、まるでバームクーヘンの様子に似ています。(写真6)

 
和蝋燭の切り口

写真6.層をもった和ろうそくの切り口

店奥ではガラス窓越しにこの店の6代目と7代目の方と思われますが、実際に和ろうそくを作っているところが見られます。(写真7)

このように大森和ろうそく店の和ろうそくは長年の経験による職人技の手づくり品で、今や和ろうそくを作り続けているお店は四国でもここ一軒だけだそうです。

 
蝋燭を手作りしている様子

写真7.蝋燭を手作りしている様子も見学できる

次の頁では和ろうそくの光の特性をご紹介しています。

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