2階の洋食レストラン、人気は平日限定の「ビアランチ」

人気で定番の「ビアランチ」

ビールかコーヒーを選べる定番の「ビアランチ」

入口正面が1階の「神谷バー」、ここにもおつまみや軽食のメニューはたくさんありますが、“ランチ”ということで、左手の階段で2階の洋食「レストランカミヤ」へ向かいます。入店すると、左右に大きな空間があり、店員の方に席を誘導されます。店内のイメージとしては昔のデパートの食堂、という感じでしょうか。店員のレトロな制服もいいですね。この日は友人と2人、空間中央付近のテーブルに腰を落ち着けます。

盛り合わせ料理Bの「海老フライ・ハンバーグ」

盛り合わせ料理Bの「海老フライ・ハンバーグ」

豊富なメニューの中から、私は定番の「ビアランチ」(920円)、友人はA・B・C・Dと4種類ある盛り合わせ料理からBの「海老フライ・ハンバーグ」(870円)に、「ライス」(220円)をオーダーしました。ビアランチの内容は、メンチカツ、豆と野菜のトマト煮、魚のエスカベッシュ、マカロニサラダ、パンかライス、また、ビアランチの名前の通り、生ビール(300ml)かコーヒーを選べます。

この日は仕事の関係もあり泣く泣くコーヒーをチョイス。こちらのビアランチは平日限定で、開店の11時30分から17時まで提供と、少し遅めの時間まで対応してくれるのが嬉しいところ。ちなみに同じく平日限定の「日替わりランチ」(650円)は14時まで。こちらは値段が魅力的ですね。

周囲を見回すと、団体客の多さに気づきます。同窓会風の年配の方々、観光客など、昼からしっかりとビールをジョッキで飲んでいます。1階は150席、2階が130席と“大箱”の同店。常ににぎわいのある浅草でも、仲間たちと予約なしですっと入れそうなのも、こちらの特長と言えます。

休日は名物「ビーフシチュー」をおつまみにデンキブランを

同店名物の1つ「ビーフシチュー」

同店名物の1つ「ビーフシチュー」、奥は「チキンランス」

神谷バーを語るのに、“デンキブラン無し”では話になりません。休みの土曜日、開店時間めがけて一人、再び同店2階へと向かいます。店頭に着くとちょうど開店で、長い行列が次々と店内へと入っていく最中でした。

この日は壁際の席に通されます。あらかじめ“食べたい”と決めてきたメニューは2品。「ビーフシチュー」(1000円)と、「チキンライス」(650円)です。ここまでがランチであり、おつまみ。加えて念願の「デンキブラン」(260円)と生ビールをオーダーしました。

同店の代名詞「デンキブラン」

同店の代名詞「デンキブラン」と生ビール

牛バラ肉を野菜と一緒に煮込み、デミグラスソースでさらに煮込んだビーフシチューは、同店名物の1つ。箸やフォークで簡単に切ることができる柔らかい牛肉、量もしっかりありますね。チキンライスは一瞬オムライス!?と、勘違いしてしまうような鮮やかなビジュアルです。こちらをメインにデンキブランとビールを交互に口にする、“神谷バースタイル”で楽しみます。

誕生当初、アルコール度数45度もあったデンキブランは、現在30度のものと、40度の「電氣ブラン・オールド」の2種類。時代を経て、飲みやすく改良されています。ブランデーをベースとし、ジン、ワインキュラソー、薬草などがブレンドされたデンキブランのレシピは未だ秘伝です。“昼間のお酒はよく効く”とは言いますが、度数30度のお酒はなかなかパンチがありますね。飲めないタイプではありませんが、昼の12時を前にちょっといい気分になってしまいました。

川端康成、永井荷風、石川啄木、谷崎潤一郎……多くの文人がその作品の中で、舞台として設定してきた浅草。同店とデンキブランも、大正の詩人・萩原朔太郎の詩や、昭和の芥川賞作家・三浦哲郎の名作『忍ぶ川』に登場しています。“日本初のバー”というスタイル、洋食や洋酒がまだ珍しく、その“ハイカラさ”で庶民に人気を博した同店は、現在で言うアーティストやクリエーターたちの交流の場でもあったことも容易に想像できますね。

2011年には神谷ビル本館が登録有形文化財に

2011年には神谷ビル本館が登録有形文化財に

そんな先人たちの歴史に思いをはせ、好きな洋食をおつまみにお酒を飲む休日ならではのランチはいかがでしょうか?

■神谷バー
住所:東京都台東区浅草1-1-1
TEL:03-3841-5400
営業時間:11:30~22:00(3階割烹は平日14:00~16:00休業)
定休日:火
地図:Yahoo! 地図情報
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