運動と健康/水分補給法・筋肉痛・トラブル予防

屋外での運動は日焼け対策を万全に!

日中の明るい時間が長くなり、運動をするにはいい時期となりました。夏本番を前にウォーキングやランニングなど、屋外で運動を行い、汗をかく人も多いのではないでしょうか。この時期、外で活動することが増えるとどうしても気になるのが紫外線による日焼けとその影響です。屋外での運動を楽しむためにどのようなことに注意すればいいでしょうか。

西村 典子

執筆者:西村 典子

アスレティックトレーナー / 運動と健康ガイド

今から始める紫外線対策

海と紫外線

紫外線は初夏に一番多くなる

季節によって紫外線の量は変化すると言われていますが、一番多くなる時期は夏を前にした6月、7月頃と言われています。また一日の中では午前10時頃~午後2時頃の日中が最も強く、曇りの日でも紫外線量は晴天時の約80%にのぼるため、屋外に出るときは紫外線対策を万全にしていきたいものです。

紫外線には全紫外線量の約90%を占めるUV-A波と、約10%以下のUV-B波という波長があります(もう一つUV-Cという波長もありますが、これは地球に届く前にオゾン層で吸収されるため影響がありません)。日焼けで肌がヒリヒリするのは主にUV-B波による作用、肌が黒くなり悪化すると水ぶくれ起こすものは主にUV-A波による作用といわれています。

紫外線そのものは体内でビタミンDを生成するために必要なものですが、必要以上に浴びることでメラニン色素を刺激して肌を黒くしたり、シミやシワの原因となったりします。また紫外線を慢性的に浴び続けると、シミやシワのみならず、白内障や皮膚がんの原因ともなるので注意が必要です。

屋外活動は日焼け止めとセットで

木陰

屋外での運動は、こまめな水分補給と日焼け止めの重ね塗りを行おう

屋外での運動を行うとき、また通勤・通学などで外出する際にはなるべく日焼け止めを使って皮膚を紫外線から守るようにしましょう。昔であれば、黒い肌は健康的でアクティブといったイメージをもたれていましたが、黒く焼けた肌は健康面から考えられるとあまりオススメできません。日焼け止めには紫外線UV-B波を防ぐ指数であるSPF値と、紫外線UV-A波を防ぐ指数であるPA値が表記されていますので、この表記を参考に選びましょう。
  • SPF値…「SPF50」と表記されていれば、何も塗らない素肌に比べて皮膚に届く紫外線量が約50分の1になるという意味。数値が高ければ高いほど効果が高いといわれていますが、SPF50の日焼け止めを正しく使用すると、一日の活動時間に対して十分な保護効果があるため、これ以上SPF値が高いものでもすべてSPF50と表記されます。 
  • PA値…PAの右横に表記される「+」の数が多いほど効果が高いとされ、3段階で表示されます。 
毎日のお買い物や、ドライブ、家事全般で使う場合にはSPF10以上、PA+以上、屋外でのウォーキングやスポーツなどを短時間で行う場合にはSPF15以上、PA++以上、炎天下でのマリンスポーツ、避暑地など高地でのレジャーを行う場合にはSPF30以上、PA+++と用途に合わせて使い分けると良いでしょう。また高地では気温は涼しいかもしれませんが、紫外線量は平地に比べて多いといわれていますので、日焼け止め効果の高いものを選ぶようにしましょう。

運動時に心がけたい紫外線対策ポイント

日傘と女性

幅広い帽子は日焼け止め対策に効果的

日焼け止めは塗ってしまえばその効果が一日中持続するというものではなく、汗などで落ちてしまうため、2~3時間おきに重ね塗りをすることをオススメします。また激しい運動を行っているときは水分補給とあわせて、日焼け止めのこまめな重ね塗りが必要です。日焼け対策としては次のようなことを心がけましょう。
  • 肌の露出はなるべく避ける(薄手の長袖などを着て、なるべく肌を保護する)
  • 運動する時間帯を考慮する(紫外線のピーク時の運動をなるべく避ける)
  • 歩くときは日陰を選ぶ(日陰は日なたにくらべて約50%紫外線をカットできる)
  • 帽子をかぶる(太陽光を反射する白系のものがベスト。つばの大きい帽子をかぶるとさらに日焼け予防に効果的)
  • こまめに休憩をとる(水分補給と日焼け止めの重ね塗りの時間をこまめにとる。また休むときは日陰を選ぶようにする)

日焼けしてしまった!その後の対応

日焼けをした後の皮膚はヒリヒリして痛みを伴うことがあります。これは皮膚が軽いやけどしている状態です。このときは氷や氷水などで皮膚を冷やすようにしましょう。市販の冷却剤を使用するときはタオルなどを巻き、直接皮膚に当てないように注意します。またクールダウン効果のあるジェルなども、肌の火照りを和らげるのに役立ちます。水ぶくれなど皮膚の状態がひどい場合は皮膚科を受診するようにしましょう。

シミ・シワ対策としては活性酸素をおさえる働きをもつビタミンCやポリフェノールを含んだ食品をとると良いでしょう。ビタミンCであれば柑橘系の果物や緑黄色野菜を中心に、野菜ジュースなどでも補うことができます。ポリフェノールはコーヒーや緑茶、ワインなどに多く含まれます。抗酸化作用のある食品は日焼け後の皮膚に良いだけではなく、アンチエイジング効果も高いといわれていますので、日頃から意識してこれらの食品を取ると一石二鳥!ですね。

日焼け止め対策を万全にして、これからのシーズンも元気に屋外での運動やスポーツを楽しみましょう。
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