公務員の共済年金は会社員の厚生年金に合体する
会社員は厚生年金に加入していますが、公務員は共済年金に加入することになります。共済年金と厚生年金は保険料の考え方、年金額の計算式、受給開始年齢等基本的には同じなのですが、併給や転給などの点で共済年金に有利な部分もあります。また、資産の管理・運用は共済年金は別途行われています。(この点について詳しく説明したAllAboutガイド原さんのコラムもどうぞ )
公的年金の部分については一元化を目指す方向で議論が進められており、自民党政権下でも共済年金と厚生年金を統合する(厚生年金に一本化する)法案が出されたことがあります。そして、今回の国会にも改めて共済年金と厚生年金の一元化法案が提出されているところです。
(参考 厚生労働省HP 社会保障審議会年金部会 法案説明資料)
共済年金と厚生年金の一元化は実行が比較的容易であり、効率化も期待できる改革ですから、ぜひやってほしいところです。自民党政権下で審議拒否をした民主党が、今一元化法案を提出し直したわけですから、自民党もいまさら審議拒否などせず、スムーズな成立に期待したいところです。
ところで、公的年金の一元化の後に気になる点があります。それは公務員の退職給付です。
公務員のほうが退職金をもらいすぎだから下げるべき?
国家公務員の退職給付については、人事院が3月にまとめたレポート によれば、民間が平均2547.7万円のところ、公務員は平均2950.3万円となっており、約400万円多いとされています。これを受け、国家公務員については政府の有識者会議が約400万円の水準引き下げが必要と中間報告をし(5/23。これについてはHPに開示情報は見当たらない)、法律改正の準備に入るとされています。
ニュースだけみれば「もらいすぎ」「減らされて当然」「反発するなんておかしい」という論調のようです。
しかし、公務員の退職金カットはそう簡単に考えていいものでしょうか。
→国家公務員の退職金は今の金額でもいいし、減らすべきでない?次ページへ