日本の家は風によわい?
日本の家のづくりの基本は、開放的で比較的壁が少なく、軒の出が深いのが特徴です。しかしながら開放的な間取りは風の流れを加速させたり、軒の出は風圧で揚力(進行方向に対して垂直上向きに働く力)が大きくなるため、耐風力としてはマイナスとなることもあります。その中で、瓦屋根は金属系の材料に比べて固着耐力が弱いイメージがありますが、これまで多くの改良が重ねられ、耐風安全性能はかなり高くなっています。風圧力に強い家をつくるには
建築基準法において、台風については構造壁の必要配置面積の基準があります。しかし竜巻についてはありません。特に今回発生した竜巻はこれまでに発生したことがない、約5秒間で平均風速が70~92m/sというものでした。現在の基準法では約7秒間で平均風速が50~69/sまで耐えられる基準となっています。建物の建っている場所にもよりますが、周りに遮蔽物がなかったり、屋根の形状によっても風圧力の受け方は違います。
風圧力に強い家をつくるには屋根に飛散防止のあおり止め金具をつけたり、垂木のサイズをワンランク大きく(4.5m×4.5m→6.0m×6.0m)しましょう。
ガイド佐川のワンポイントアドバイス
日本国内の竜巻被害は、全国的に寒冷前線の移動時期11月~2月と、台風の時期の6月~9月に不定期に発生します。同時にゲリラ豪雨も多発しています。あたり前ですが、住まいは安心安全で外敵から身を守る構造でなければなりません。コストバランスも大切ですが、木材の柱(105mm×105mm)をすべて、120mm×120mmにするなど、部材のサイズを大きくして強くすることも考えてみましょう。
木造建屋を押しつぶし、180度裏返ったベタ基礎
(H24年5月15日 日本住宅新聞より)