テクノポップ/アーティストインタヴュー

ダンボール・バット~馬鹿ヌーヴェルヴァーグ(6ページ目)

このジャケで2枚のアルバムがピーンと来た貴方は、偉いです。是非ダンボール・バットの新作『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』を騙されたと思って買ってください。1200円と良心的な価格設定です!

四方 宏明

執筆者:四方 宏明

テクノポップガイド

「マイアミ・ヴァイス」は特に最初の頃のシリーズが大好き

ガイド:
ネタ明かしもされていますが、確かに「狩人だから」のAメロは「プレシャス・タイム(LAハード・レイン)」に使われていますね。でも、曲調がぜんぜん違うから、言われなければ気が付かないかもしれません。後者はギターだけでなく、シンセ部にも「マイアミ・ヴァイス」を感じました。ヤン・ハマーのテーマ曲や「Crockett’s Theme」は僕も大好きです。ちなみにFPUというカナダのエレクトロユニットも「Crockett’s」の素晴らしいカヴァーやっています。「マイアミ・ヴァイス」、実はリアルタイムで見ていた口で、今聴いても侮れないです。
 
AMI:
まず、「狩人だから」は、個人的に大好きなVisageなどのニューロマンティック・サウンドへのオマージュです。ちなみにシンセ・ベースはオレが手で弾いているのでよく聴くとズレているという(笑)、なんともローファイな感じに仕上がっています。部分的に入る「コォーッ!」というシンセ・ノイズは、トニー・マンスフィールドが率いたNew Musikへのオマージュというオタク・ネタも入っています。

「プレシャス・タイム(LAハード・レイン)」のほうは、アルバムのエンディングにふさわしいインストが欲しいなと思って作った曲です。歪んだギターを3本重ね、80年代特有のバブリーで馬鹿っぽいギラギラ感を演出しました。シンセの音色も、いかにもアノ時代的な、“DX-7”風な音色を選びました。できればジョルジオ・モロダーあたりにプロデュースを依頼したかったのですが……(笑)。「マイアミ・ヴァイス」は特に最初の頃のシリーズはオレも、そしてこの曲でもギターを弾いているSAMSONGも大好きな番組です。割と最近、ケーブルで再放送していたのを見たのですが、やはり最高でした。いろいろ考えてみるとやっぱり、自分が作るサウンドの世界観の根幹をなしているのは、あの時代(80年代)のものから吸収し、血肉化されたものがあまりにも多いなと改めて気付かされます。

 

もう二度とあんな苦行は御免だ

ガイド:
AMIさんとの対談をすると、結構好きなものがかぶっているせいか横道に逸れたりします(笑)。最後に今後の活動予定、豊富などをどうぞ!
 
AMI:
danballbat

ダンボール・バット

今回のレコーディングでは、本当に地獄を見ました(笑)。もう二度とあんな苦行は御免だというのが実感です。しかし、またやるしかないのかもしれません。次回作はまた5年後でしょうか? その頃にはPCによるレコーディングを導入しているのでしょうか? 自分でも分かりません。当面は地味にバンドでのライヴ活動を続けながら、バンドとは別にソロでステージに立ちたいという欲求が最近出てまいりまして、その実現に向けアイデアを練っている最中です。ピアノ、あるいはアコーディオンなどの鍵盤楽器とオレの歌だけ、みたいなシンプルなものがやりたいのです。ジャック・ブレルを意識したマーク・アーモンドがぶっ壊れてフライング・リザーズみたくなっちゃったような、そんなステージ がやりたいですね。鍵盤奏者の方を広く募集しています。
 
今日は有り難うございました。

ガイド:

色々な奥の深いお話、どうも有り難うございました!
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