ダンボール・バットを率いるAMIさんに、アルバム制作の苦行について語っていただきました。
完成までに1年以上『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』
ガイド:AMIさん、激お久しぶりです。前回のインタヴューは、5年ぶりにリリースした『コンピュータ・ベルリン』(2007年)。今回の新作『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』(2012年)もまた5年ぶりで、コンスタントに間の空いたリリースですね(笑)。この5年、いかがお過ごしでしたか?
AMI:
海外で優雅にヴァカンスを楽しんでいたわけではありません。前作『コンピュータ・ベルリン』を自主制作で出した時点で、何かしら世間の反応があるかな、と甘い期待をしたのが馬鹿でした(笑)。その後も、デモなどを色々なレーベルに送ったりもしたのですが、当然反応は無く、結局はまた自分でやるしかないのかと無力感に打ちひしがれながら重い腰を上げてはみたものの、今度はメンバーの脱退が相次ぎ、その後ようやく取り掛かったレコーディングも困難を極め、完成までに1年以上もの時間がかかってしまいました。結果的に5年という歳月があっと言う間に過ぎてしまったというわけです。
ジャケで騙して買わせよう
ガイド:先ず、印象的だったのが『馬鹿ヌーヴェルヴァーグ』のジャケですね。ぱっと見、Roxy Musicの『Country Life』のパロディーと思いきや、これはSparksの『Kimono My House』も混じっている! 裏ジャケは割と忠実に『Country Life』。『Country Life』は最近でもSweet AppleやAxxeなどにパロディーされ、リスペクトされ続ける名ジャケですが、これは前からやりたかったのですが?
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AMI:
ジャケで騙して買わせようという姑息なオレのアイデアです(笑)。こういったモデルを使ったジャケは前からやりたかったんです。今回も前回に引き続き、知人でもあり、電気グルーヴやエルマロなどのジャケも手掛けているグラフィック・デザイナーでもありフォトグラファーでもある常盤響さんに作っていただきました。実は、オレも常盤さんもRoxy MusicやSparksを始めとするあの時代のグラムロックやモダンポップと呼ばれる音楽が大好物なので、自然とあのアルバムのアイデアに行き着きました。仕上がりにはとても満足しています。次回は、ロバート・パーマーとか、ボブ・ウェルチあたりのアーバンなスケベ路線とかで行きたいんですけど(笑)。
ガイド:
ちなみにこのジャケのモデルはどなたですか?
AMI:
オレも知りたいです(笑)。モデルさんのキャスティングも含め、全て常盤先生にお任せしてしまったので、オレは全然分からないのです。アマンダ・レアでないことだけは確かです。