家の面積はどのくらい必要?延べ床面積ランキングを確認!
家を建てる時、土地を購入する時には、まずは住まい全体でだいたいこのくらいの広さが欲しいというイメージを固める必要がありますよね。住まいの広さ(=面積)は家族構成、ライフスタイル、予算、すでに土地を持っているならその土地の広さなどを元に検討しますが、今回は参考に、都道府県別の住まいの広さの平均値と、国が「このくらいの広さがあった方がいいですよ」と勧める居住水準の二つを見てみたいと思います。
まずは都道府県別1住宅当たりの延べ面積をランキング形式でお伝えします。
【目次】
1.都道府県別 1住宅当たりの延べ面積ランキング
2.家の広さを決めるもうひとつの指標 居住水準とは?
3.戸建住宅に求められる理想の面積水準は30坪以上?
4.家の広さは予算や地域性も考慮して決めたい
都道府県別 1住宅当たりの延べ面積ランキング
国土交通省が公表しているデータ(【表1】)によると、全国で1住戸当たりの面積が最も広いのは「富山県」で152.18平方メートル(46.03坪)、2位が「福井県」で146.16平方メートル(44.21坪)、3位が「山形県」で141.51平方メートル(42.80坪)、4位「秋田県」で138.61平方メートル(41.92坪)となっています。面積が少ない方からみた1位は「東京都」で64.48平方メートル(19.50坪)、2位が「大阪府」で76.22平方メートル(23.05坪)、3位が「沖縄県」で76.28平方メートル(23.07坪)、4位が「神奈川県」の76.62平方メートル(23.17坪)と続きます。
最も広い富山県と最も狭い東京都の1戸当たりの床面積だけを比較すれば、倍以上の開きがあることがわかります。しかし住宅の総数を見てみると、東京都は富山県の16倍もの住宅数を抱えています。人口密度、二世帯同居の割合、建てられるマンション数の違い、土地代、建設コストなどなど、面積を決定する要因は様々ですが、地域によって、一戸当たりの床面積の平均値にかなりバラツキがあるということは興味深いことです。広い家に住みたい場合は住む地域選びも大切ですね。
家の広さを決めるもうひとつの指標、「居住水準」とは?
「居住水準」とは、私たち国民が安定したゆとりある住生活を営むことができるように、国が住宅建設五カ年計画で定めた住宅面積の目標です。家族構成に応じた住まいの広さを算出しています。戸建住宅には「最低居住水準」と「誘導居住水準」の二つの目標値があり、最低居住水準はその名の通り「健康で文化的な生活をおくる上での最低水準」、誘導居住水準は、これから住まいの寿命も延びると言われる中、良質な住宅の確保に向けて目標として掲げられた値です。これから家を建てる、または購入する場合はぜひこの後者である「誘導居住水準」をクリアする住宅面積を確保したいものです。
戸建住宅に求められる理想の面積水準は30坪以上?
上記に述べたように、戸建住宅の延べ床面積には二つの基準があります(【表2】参照)。「最低でもこれだけは必要」という面積(=最低居住水準)は3人家族で40平方メートル(3~5歳児が1名入る場合は35平方メートル)、4人家族では50平方メートル(3~5歳児が1名入る場合は45平方メートル)となります。一方「これくらいの面積があったらいいな」という理想の面積(=誘導居住水準)は、3人家族なら100平方メートル(3~5歳児が1名入る場合は87.5平方メートル)、4人家族なら125平方メートル(3~5歳児が1名入る場合は112.5平方メートル)です。坪数でいい替えると、理想の住まいの広さは3人家族で約30坪、4人家族で約38坪程度となります。
家の広さは予算や地域性も考慮して決めたい
ガイドが住んでいたことのある山形県では戸建住宅の一戸当たりの面積が広いことが特徴で、前のページでご紹介した都道府県別ランキングでは全国で3位、1戸当たりの平均面積が141.51平方メートル(42.80坪)となっています。山形市、米沢市など大きな市の駅付近にはマンションもありますが、絶対数では戸建住宅が圧倒的に多いこと、また、暮らしの形態として2世帯、3世帯同居が多いことから1戸当たりの面積が広めになるのだと思います。新築住宅を建てる時、住宅の面積をどのくらいにするかは予算によるところが大きいと思いますが、その土地その土地ならではの価値観や住まい方も考慮して、ほどよい広さの家が計画できるといいですね。
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【関連サイト】
平成28年度 住宅経済関連データ(国土交通省)
住生活基本計画(全国計画)における誘導居住面積水準及び最低居住面積水準(国土交通省)
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