パートナーのイメージが具体的なほど結婚に近づく!?
彼女がお金持ちと結婚して手に入れた本当に大切なものとは?
ここで大事なことは漠然とした男性イメージでなく、具体的に誰にでもわかりやすく自分が求めている男性像がどんな人なのかを伝え、さらにそんな人を「紹介して欲しい」とストレートにお願いしたことです。
確かに結婚したいと思っている人の中には、「誰かいい人がいたら紹介してくださいよー」なんて冗談っぽく言ったり、または会社や周囲の友人には、あまり結婚に興味がない素振りをしているのに、実は週末にはパーティーに行ったり、お見合いしたりしている人もいるかもしれません。
もちろん、それぞれのタイプによって男性との出会い方があるので、何が正しいとは言えませんが、彼女の場合には具体的に「こんな仕事してる人が良いです!」など希望のディテール(詳細)を伝えていたそうです。
確かに言われる側も、ただ「誰かいい人いませんか?」なんて聞かれても印象が薄く、どこまで本気なのか判断しかねますが、「私はお金持ちと結婚したいから、知り合いで素敵なお医者さんいたら紹介してください!」と言われると、そんな人が周りにいたり、知り合ったら彼女が思い出されて紹介しやすいものです。
実際、その彼女もそんな積極的な行動が実を結び、あるお医者さんとの縁談が舞い込んできました。彼女はその彼と出会って、わずか3カ月で婚約、そして半年後には結婚することになったのでした。
ここまでは、他人が聞けば何とも順調な流れですが、実はこの彼女は重要なポイントを見落としていました。
お金持ちの男性と結婚することだけを目標にするのは危険!
彼女は結婚を前提に、お医者さんの彼と付き合い始めましたが、早くも彼との間に違和感を感じ始めたそうです。なぜなら結婚してからも働きたいと願う彼女に対して、彼は自分のパートナーは専業主婦になって、自分を支えて欲しいという希望だったのです。いわゆる結婚生活後の価値観の相違です。その時点で、あくまでも「結婚すること」が目的となっていた彼女は、そんな違和感に必死に気付かないフリをしようとします。そして彼女は自分の中で、「きっとお金持ちと結婚すれば幸せになるのだから……」と自分に言い聞かせます。何よりもすでに婚約もして結婚への準備がアッという間に進んでいったので、家族などを考えれば、今さら引き返せないというのも本音だったと言います。
結婚する彼は裕福だし、それは自分が今の生活からリセットするために望んだ結婚なのだからと、常に肯定しようとしている自分がいたのでした。直感的には何か不安を感じていたけれど、当初の結婚するという目的を達成する寸前。でも、それだからこそわかる自分の本心…… 彼女は誰にも言えない虚しい気持ちの中で、自分は何をやっているんだろうと思う時もあったそうです。
目的地がズレた結婚の向かう先にあるものとは?
結婚前から若干の違和感を感じていた彼女は、結婚することで全てはいい方向へ変わると期待しました。だから高校時代の友人などが、自分の結婚を羨んでくれたり、みんなが認めてくれることなど、自分のコンプレックスへの決別や克服というテーマに結婚の目的がいつの間にかすり替わっていたような気がします。いよいよ結婚式の当日を迎えました。同級生のみんなから「旦那さんはお医者さんだし、お金持ちの生活でいいなー、羨ましい!」という声を聞きたかったそうです。けれども高校の同級生たちが、当たり前のように「おめでとうー!」と嘘のない笑顔でお祝いしてくれた時に、自分が求めていたものが虚しい独り芝居だったと感じたそうです。そして「自分が本当に手に入れたい人生って何なのだろう?」とフッと我に返ったそうです。
お金持ちと結婚することや、自分が同級生たちより先に幸せな結婚を手に入れることに対して「いいなー」と言ってもらうことで、勝手に自分のコンプレックスから逃れることを望んでいたことにハッキリ気づきました。もちろん彼にではなく、お金に対しての執着やコンプレックスに縛られていた自分がとっても嫌になったそうです。
それでも結婚後、医者である多忙な彼を支えていこうと思っていましたが、彼女はまだ自分の人生でやりたい、世界中を飛び回って仕事したいという気持ちが、結婚したことでより強く出てきたそうです。ただ金銭的にも余裕のある彼にとっては、彼女がそこまでして働くことに関しては全く理解ができなかったと言います。むしろ、なぜ自分を支えてくれないのかを責められたそうです。
彼女は自分らしさが出せず、気持ちがワクワクできない自分に段々とストレスを感じ、二人の向かっていく方向や気持ちのすれ違いを大きく感じたそうです。すでに一つの夢であった「お金持ちと結婚する」というゴールを手に入れてしまったので、そこにはもう誰かを見返したいなど強い欲求も存在せずに、お医者さんと結婚した妻という現実があるだけでした。
そして結婚して、しばらく経つと彼と別れることを考え始めたそうです。「世間で言う、裕福なところの奥様という称号が欲しいのか、それとも自分らしく自由に生きたいのか?」と悩み始めた時には、すぐに答えが出たそうです。
みんなからは「お医者さんの奥様」で凄いね、と自己肯定されて嬉しい気持ちもあったけれど、やっぱり世間の物差しでなく、自分自身が思う幸せの尺度にズレがあったと振り返ります。彼は優しかったし、大きな問題も何もなかったのですが、パートナーとして続けていくために大きな障害だったのは、結婚後の二人が向かっていくべき価値観の違いでした。いくら結婚して、お医者さんの奥様になり、金銭的に不自由ない身分になれたとしても、自分の本心に逆らって生きるということはやっぱり虚しいなと思ったそうです。
本当に自分らしく幸せになるために必要なこととは?
多くの女性が憧れるお金持ちとの結婚についてお伝えしましたが、もちろん、これは、あくまでも彼女のケースです。決してお金持ちと結婚を望むことや、することが悪いことではないし、実際に幸せになっている女性もたくさんいます。今回、彼女のような「結婚すること」そのものをゴールにしてしまった典型的なケースからわかることは、結婚生活を通じて幸せになっていくためには、やはり結婚後に二人が同じゴール(目的地や目標)の方向を目指していくことが、いかに大事であるかということです。
ただ彼女は自分の離婚という経験によって自分のしたいことが明確になりました。それは自分が強くコンプレックスを感じたお金というものについて、より多くの女性にとって自立できるための流れや仕組みを勉強する大切さを伝えたいということです。だから彼女は今、積極的にアジアの国々を中心に飛び回って、未来の自分にできる役割の可能性を組み立てています。
何度も言いますが、大事なことは、やっぱりまず自分がやりたいことをしっかり見極めることです。当時の彼女のように結婚することが、単に現状の不満や不安から逃げるための手段や目的になってしまったら勿体ないのです。本当の自分が幸せになるための生き方の手段として、もう一度、しっかり自分の結婚観や人生と向き合ってみてはいかがでしょうか。
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