「モノ」で備える
マンション選びのこだわりも、変化の兆し?
マンション選びの新しいトレンド
自分にぴったりのマンションを選ぶには、事前準備が欠かせません。その一つは、希望条件をすべてピックアップし、優先順位を決めておくこと。いたるところで私がお伝えしている事前準備の一つです。さて、マンション選びに対する希望条件のあなたの優先順位は、大震災後、変化しましたか?「遠くても、始発駅で座れればいいと思っていたけれど、帰宅難民になるのはいや。会社まで徒歩圏、せめて自転車でいけるくらいの距離がいい」「坂道はいやだと思っていたけれど、高台のマンションも検討してみたい」「これまでまったく気にしていなかったけれど、耐震構造や地盤についても勉強して探したい」など。ご相談者の話を聞いていると、こだわりポイントが増えたり、変化したりしています。
とくに、大震災以降は、各マンションとも、防災グッズの備え、水の備蓄といった緊急時対応についての説明を強化しています。モデルルームでは、「へぇー」「ふーん」と感心するだけでなく、自分が災害に遭遇している場面をイメージし、触ったり使ったりと体感しながら、担当者の話を聞くことが大切です。耐震、免震、制震など構造や地盤についてもぜひ聞いて情報収集してください。
今すぐできる、モノ選び
住まいという、自分の身を守ってくれる器を準備することはとても大切です。ですが、それだけでは不十分。あなたがやらねばならないのは、器の中身の備えです。いざという時に何を持ち出すか。リストアップはできていますか。それらの保管場所は明確ですか。万が一のときに、無意識にでもつかんで飛び出せる。そのような備えができていると安心です。リストアップして、付箋に書き、手帳に張り付けておく。リストアップする際に、それがどこにあるかを考えるので、リストアップするだけでも効果があります。もちろん、最も大切なのは生命。「モノ」は、身の安全の確保に優先するものではありません。
次ページでは、「カネ」で備える、について考えます。