娘婿とマンションセミナーに参加くださったTさん。シニアの住まい選びは、若い方の住まい選びにも大変参考になります。皆様の親御さんの住環境を考えるにあたっても重要です。皆様の中には、自分のマンションを購入する際に「実家に戻って欲しい」「同居を条件に資金援助するよ」など、さまざまな熱いエールが送られている方がいらっしゃるかもしれません。

長寿社会においては、自分と親と両方の暮らしや住まいを意識しなければなりません。「シングルの子どもは頼りやすい反面、心配も多い」という親御さんの声もあります。自分のマンションを検討する際、今の自分だけではなく、自分の将来や親御さんの将来を意識できると、マンション購入にしっかりと直面できます。ほんの少し意識するだけで住宅選びが変わります。

前回に引き続き、Tさんのお話をお伺いしましょう。

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我慢はいや。便利なものは手放さない


skichika
シニアのマンション選び、終の棲家だからこそ“我慢はしない”
モデルルームを初めて見学したTさんですが、「あまりに素敵で現実的になれない」との感想だったそうです。築40年以上の一戸建てとの比較ならば、実生活とのギャップは大きかったに違いありません。

ですがさすがTさん、舞い上がって何も見えなくなるのではなく、冷静にご自身の希望との比較をされていました。

まず、立地条件。「買い物施設も医療施設も徒歩圏。住環境もいいが、電車の駅までは今の住まいの方が便利。バス停が目の前らしいけれど本数はどうなのかしら」と担当者に質問。シニア向けの交通機関の料金を優遇する自治体が多く、バスでも不便がなければ我慢できる。そうTさんは考えていらっしゃいました。

Tさんが最後までひっかかっていたのがキッチンです。現在のお住まいでは、ガスコンロをIHクッキングヒーターにリニューアル。気にしていた火力も十分で、火の用心に心を砕くTさんにはなくてはならないものとなっているそうです。モデルルームのキッチンはガスコンロであったため、現在の便利を手放すことはできない、生活レベルを下げたくない、と熱く語られます。

今回のマンションはガスコンロからIHへの変更も可能で担当者がそう説明されていましたが、Tさんにとってはかなりのこだわりポイントのようでした。Tさんの「終の棲家だから我慢はしたくないのよ」との言葉が印象的。まったくそのとおりです、ぜひ希望にこだわって終の棲家を選んで頂きたいと思います。


終の棲家は60代に確保する


人生の大先輩だけあって、お話していると言葉に重みがあり勉強になります。なかでも、Tさんが息子さんとガイド大石に強く語られたのが、終の棲家を探すタイミングについてです。

Tさんは70代とは思えないほどお元気で、販売センターの階段の上り下りも平気、言葉もしっかりとしていらっしゃいます。ですが、お気に入りの住宅に出会うまで何件も見て回るだけのパワーはなく、ましてや一人であちらこちらと現地を訪ねるわけにはいきません。

「気力も体力もある60代のうちに意識して探しておけばよかった、あなたたちもそうしなさい」と説得力あるコメントを頂戴いたしました。30代でマンションを購入し、30年住むと60代です。そのころの自分を想像することは難しいことですが、現在60代の方の生き方を学ぶことは可能です。親御さんが身近な先輩ではないでしょうか。親子で住まいの価値観について語り合うのもよいことだと考えます。
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